映画館が消えていく……
近畿は梅雨明けして真夏の天気。セミは朝からうれしそうに鳴いている。
だけど暑くなっても新型コロナは衰えを見せず、収束する気配を感じさせない。医療崩壊を防ぎつつ、経済活動を継続するというジレンマで誰もが苦悩している。でもこれ以上感染者が増えてくると、再び経済活動が停止するかもしれない。
なかでもエンタメ分野の被害は甚大。生き残りをかけて誰もが血眼になっている。そんなエンタメを象徴するアメリカの映画界において、これまで考えられなかったようなことが起きている。
新作映画が17日後に配信開始…!ハリウッドに地殻変動が起きている
リンク先の記事を見てびっくり。これまで最低でも3ヶ月のタイムラグがあった新作映画のネット配信が、アメリカでは17日後から可能となった。もちろんそうなったのは新型コロナウイルスが猛威をふるったから。
これはユニバーサル映画と大手映画館チェーンのAMCが妥協した結果。今年の春、両者は決裂寸前だった。映画館が営業できないことで、ユニバーサルは新作のアニメ映画をネット配信した。これが予測を超える利益を生んだ。
映画館で公開すると、その収益は映画会社と映画館の折半になる。ところがネット配信はまるまる映画会社の収益になる。そりゃおいしいよね。
それで今後は映画館での公開と同時にネット配信をする、とユニバーサル映画は宣言した。当然ながらAMCは激怒。ユニバーサル映画の作品を映画館で公開しないと言い出した。そこで妥協案が模索された結果が、今回の17日という結論になったそう。
新作映画の収益のほとんどは、公開してから2週間らしい。だから17日というギリギリの線を出してきたんだろう。そしてネット配信の利益の一部をAMCに分配することも決められたらしい。
ただどう考えても、このケンカのアドバンテージを握っているのは映画会社。ネット配信という強みがあるから、決裂しても映画会社は収益を確保できる。だけど映画館は作品がなかったらどうしようもない。
いまはアメリカのことだけれど、この流れはいずれ日本にもやってくると思う。そして新型コロナが衰えを見せなければ、映画館ではなく自宅で映画を観る人が増えてくるだろう。
実際に日本の小さな映画館は経営状態がかなりヤバい。この先に再び自粛要請が出たら、倒産してしまう映画館が続出すると思う。大手だって多額のテナント料を払って経営しているんだから、撤退を考えることになりかねない。
そのうえサブスクが一般的になってきたので、映画館に足を運ぶ人が減っている。ボクは年間に180本以上の映画を観ているし、今年に関しては自宅にいることが増えたので250本を超えるだろう。だけど今年映画館へ行ったのは1月の1度だけ。
映画館が大好きなんだけれど、足を運ばなくても映画を楽しめる時代になった。そのうえ新型コロナが人の動きを止めている。こんな状態が続けば、いずれ日本中の映画館が消えていくんじゃないだろうか? なんとも切なく、どこかやりれない気分。もうコロナ以前の世界に戻れないんだろうなぁ。
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