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高羽そらさんインタビュー

原爆投下不要論は不愉快

昨日の9日は長崎で平和祈念式典が開催された。6日に行われた広島と同様、新型コロナウイルスの感染に配慮され、規模を縮小した形で実施された。まぁ、仕方ないことだろう。

 

毎年8月になると日本では第二次世界大戦関連の行事が続く。テレビ等でも特集が組まれている。今年は終戦から75年が経過することになり、戦争を知らない世代が圧倒的になった。それゆえ、戦争の実態を語り継ぐことは必要なのだろう。

 

ただ、とても気になる記事が目についた。アメリカの歴史家が投稿したもの。真実を追求する姿勢は大切だと思う。それが歴史家の使命であり、そのことによって未来への新しい指針を提言する義務があると思う。

 

そのことがわかっていても、その内容に釈然としないものを感じてしまった。

 

原爆投下「不要だった」 歴史家の寄稿掲載―米紙

 

これは以前から言われていたことであり、ボクも何度か見聞きしている。広島と長崎に落とされた原爆によって、戦争を終結させたというのが当時のアメリカの主張だった。だけど実態はちがうということ。

 

原爆を落とさなくても、アメリカのトルーマン大統領は日本が降伏することを知っていた、という歴史家の寄稿記事。1945年の7月にポツダムで連合国の会談が実施され、ソ連のスターリンが対日参戦することを明確にした。

 

それを受けてトルーマン大統領は、「戦争が終わる」と妻に話したという記録が残っているらしい。それだけではない。

 

原爆投下について協議されたとき、米軍最高幹部の8人のうち7人が原爆使用についてこう述べていた。

 

「軍事的に不必要か倫理的に非難に値する、あるいはその両方」だと。つまり誰もが反対していたのに、一部の人間によって強行された。

 

理由は明らか、すでにソ連という共産国家に対するアメリカの態度が硬化していたから。原爆をソ連に対する抑止力として使うためには、その威力を見せつける必要がある。そのために日本という国が利用されただけ。

 

その証拠として、広島と長崎はちがうタイプの原子爆弾が使用されている。それは核爆発の効果を人体実験によって検証するため。こういうことをボクでさえ知っているから、いまさらアメリカの歴史家が原爆投下不要論を吐き出すことに、悪意のようなものしか感じない。

 

広島や長崎で亡くなった人たち、そして生き残った遺族の人たちにとって、あの原爆が不要だったなんて事実は地獄でしかないと思う。ボクなら怒り狂う。いまさらどうしようもないことについて、そんな正論を吐かれても不愉快なだけ。それもこの時期に発表するなんて、日本人に対する配慮がなさすぎる。

 

太平洋戦争に関して、日本は加害者であると同時に被害者でもある。少なくとも原爆投下に関しては、誰がなんと言っても被害者だからね。なのに日本人が『過ちを繰り返しません』なんて口にするのは、自虐史観でしかない。謝るのではなく、怒るべき。

 

本当に戦争のことを子供たちに語り継ぐのなら、子供たちにそんな発言を強要してはいけない。戦争は悲惨なもの。だからこそ戦争を起こさないために、具体的にどうすればいいのかについて、客観的な視点にたった事実を子供に提供するべきだと思う。

 

変えることのできない過去について恐怖だけを伝えるのではなく、どうすればこれから変えていけるかについて、大人は子供と一緒に考えるべき。それこそが、本当の意味で戦争を語り継ぐことだと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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