宇宙はひとりの人間かも
ボクが10代のころから妄想していたことがある。宇宙というのはたったひとりの人間で、銀河はその人の細胞であり、星々は原子かもしれない、と。
初めてそう感じたのは、学校で原子構造を学んだとき。プラスの電荷を持つ原子核の周囲を、マイナスの電荷を持つ電子が回転している。すぐ頭に浮かんだのは、太陽を中心として惑星が回転する太陽系。
細胞レベルでも同じ構造が見られるし、太陽系のように恒星を中心としたグループが、銀河を構成している状態もよく似ている。マクロからミクロの世界にかけてこの宇宙においては、いわゆるフラクタル構造によってすべてが成り立っているように感じていた。
フラクタルとは一部が全体と自己相似な構造を持っている図形のこと。宇宙のすべての物質は、そのルールにしたがって構成されているように思う。そんなボクの妄想を、さらに現実へと近づける記事を見た。
ボクたちが暮らしている太陽系がどんな形をしているのか、これまではその様子を知ることができなかった。なぜならその内部にいるボクたちには全体を知ることができないから。
ところがボイジャー1号と2号が太陽系を出たことで、ようやく外から観察することが可能になった。NASAはこの両機から届けられてきたデータを基にして、太陽系の形を予測している。いまの段階で最有力の太陽系モデルがこれ。
ゲェェ、何よこれ! これが太陽系なの? なんと生々しい形状をしているんだろう。こんな形だと予測されているのには根拠がある。太陽から吹き流れる「太陽風粒子」と、宇宙でイオン化してから太陽風によって拾われた「ピックアップイオン」の2つの力が考慮されているからとのこと。
これらが複雑に作用し合うことで、太陽圏は従来の予想を裏切り、ねじれた三日月のような形になったらしい。この太陽系の形を見て、あなたは何を想像するだろう? リンク先の記事では、人間の『胃』にそっくりだと書かれていた。
たしかにそう見える。でもボクが感じたのは人間の『胎児』の姿。これから成長することで、徐々に人間の形を取っていきそうな雰囲気がする。どちらにしても太陽系というのは無機質な物体の集まりではなく、有機体のような形状だと考えるべきなのかもしれないね。
そう思うと、宇宙がフラクタル構造だという妄想がさらに深まる。もしかしたらこの宇宙は、見知らぬたったひとりの人間なのかもしれない。その人の骨や内臓が、ボクたちの視点で見ると銀河や恒星に見えるだけかも。つまりビッグバンというのは、その人が生まれた瞬間だと考えられる。
ということは、ボクたちもひとつの宇宙だという可能性がある。ボクを構成している素粒子たちにすれば、この肉体全体を広大な宇宙のように感じているのかもしれない。小さな知性体が電波望遠鏡を使って、ボクの肝臓を観察しているかも。彼らにはそれが美しい銀河の帯のように見えているのかな?
この記事の太陽系モデルを見て、ついこんなことを考えてしまった。この宇宙がひとりの人間だとすると、その人こそが『神』と呼ばれている存在かもしれないね。
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