名前には魂が宿っている
真の名前を知られると、相手に操られてしまう。これはボクの好きなファンタジー小説である『ゲド戦記』の世界での決まりごと。それゆえこの物語の主人公であるゲドは、ハイタカと名乗っていた。
名前のパワーは悪の存在に対しても適用されている。『指輪物語』の登場人物たちはサウロンの名を口にしないし、『ハリーポッター』でもヴォルデモートという名を口にするのをタブーだとされていた。名前には魂が宿っている、と考えられているからだろう。
これは現代世界でも同じ。ボクが小説、あるいはブログやTwitterで何かを書くときは、『高羽そら』という名前に対しての責任を意識している。なぜなら意図せず他人を傷つけてしまうこともあるから。だから名前を使用するということは、細心の注意が要求されると思う。
ある記事を読んで、さらにその思いが強くなった。
「Amazonはマーケットプレイスの製品にも責任を負うべき」との判決が下る
Amazonを利用している人は知っているだろうけれど、販売されている商品にはAmazon直売のものと、マーケットプレイスという他の業者が販売している商品が並列されている。そのマーケットプレイスの商品に対して、様々なトラブルが起きているらしい。
ボクもマスクが品不足だった今年の5月、マーケットプレイスで中国産のマスクを買った。基本的に使用には問題ないけれど、ノーズフィットの装着されていないマスクが何枚か出てきた。
この程度ならまだマシなほうで、ヒモがすぐに切れたり、ヒモの付け方不良で装着できない状態のマスクが届いた人もいる。商品が届かない、というようなことに関してAmazonは対応してくれるけれど、その程度の不良についてはさすがに補償してくれない。
ところがアメリカでは、それらを覆す判決が出ている。マーケットプレイスの商品で起きた不具合や事故についても、Amazonが責任を負うべきというもの。それも一つではなく、いくつもの州でそうした決定が下されている。
たとえばバッテリーの不良によって、使用者が火傷を負ったというケース。Amazonとしては製造業者ではないんだから、製造物責任法の対象外だと主張している。その言い分はわからないでもない。個々の商品に関する安全まで責任を持たされるのはキツいだろう。
だけどAmazonという名前には、世界中にとどろくパワーがある。たとえマーケットプレイスであれ、Amazonのサイトで商品を買っている人にとってはそのパワーゆえに購入しているはず。だからAmazonの名を貸与している限りは、ある程度の責任は果たすべきだと思う。名前には魂が宿っているんだからね。
出品業者の選別等が大変になるだろうけれど、Amazonとしては業者の事前調査をきびしくしていくしかないだろう。そしてなんらかの事故が発生した場合、その業者に対して強烈なペナルティを課していく必要があるのかもしれない。
Amazonにすれば大きな負担になるだろうけれど、放置すると自社の首を絞めることになりかねないからね。消費者のボクらもマーケットプレイスの商品購入に注意を払い、優秀な業者とそうでない業者についてのフィードバックをAmazonに提供していくべきだと思う。
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