物語の世界に入ってみたい
今日は朝からPCでブログサイトにログインできないので、このブログも朝に続いてスマートフォンからの更新。なぜだかわからないけれど、スマートフォンならどうにかログインできる。まぁ、もう慣れたからいいけどねwww
という事情なので、やや短いブログになるかな。こんなこと本当にできたらすごいなぁ、という小説を読んだ。
『ブルックリンの八月』スティーブン・キング著という小説。アメリカでは著者の短編集として発行されているけれど、日本では数冊の文庫に分けて出版されている。この作品はその短編集のひとつ。
相変わらず突飛な発想の宝庫のような作品集で、いつもながら著者の脳みそをのぞきたくなる。この作品集では、5つの短編が収録されている。
『第五の男』
『ワトスン博士の事件』
『アムニー最後の事件』
『ヘッド・アップ』
『ブルックリンの八月』
という5作品。このなかで、特に印象に残った二つを紹介しておこう。
まずは『アムニー最後の事件』という小説。アムニーは1930年代の私立探偵。いつものように事務所に向かうけれど、なぜかいつもとちがうことばかりが起きる。なじみの新聞販売の少年に殴られるし、いつも朝食を食べていたダイナーが閉店している。
事務所があるビルに到着すると、部屋の廊下が勝手に塗装されている。事務所内にいるはずの女性秘書は、アムニーに愛想を尽かし、メモを残して退職していた。とにかく何が起きているのかわからない。
やがてある男の訪問によって事実に気づく。その男は、歳を取った自分とそっくりの人間だった。だけど名前はちがう。
ネタを明かすと、アムニーがいたのは小説の中の世界だった。そして訪問してきたのは20世紀末からやってきたその本の著者。自分の人生に絶望した著者が、自作の物語の主人公であるアムニーとの人生を交換するためにやってきた、という物語。
小説を書いている人間にとって、まるで夢ような出来事。物語の世界に入っていけるだけでなく、主人公として生きることができるんだから。自分の作品だから事情もよくわかっているしね。
それでアムニーは、いきなり20世紀の世界に追いやられる。そこには悲惨な人生が待っていた。だけど彼はくじけない。なぜなら自分が作家になれば、再び自分の人生を取り戻せることがわかったから。そこで彼は小説の執筆を開始するというエンディング。いやいや、マジで真剣に読んでしまった。
そして『ヘッド・アップ』という作品は、感動してボロ泣きしてしまった。実はこれは小説ではない。完全なるドキュメント作品。
スティーブン・キングの息子が12際のときの出来事が書かれている。息子はリトルリーグで野球をやっていた。このとき、彼のチームは奇跡的な勝利を続けて、なんと地区大会で優勝して、かつメイン州のチャンピオンチームになる。
著者は父親として、そしてチームのコーチの相談役として関わってきたので、その試合を全て見ていた。その内容が本当にすごい。野球小説として読んでも、十分に楽しむことができる。最後の決勝戦なんか、まるで映画のようなドラマが待っていた。そしてマジで泣いてしまった。野球がさらに好きになった。
スティーブン・キングという作家にすれば、いつもとちがう作品が収められた短編集になっている。でもストーリーテラーとしての彼の実力を、改めて感じさせる素晴らしい作品ばかりだった。
それにしてもスマートフォンのブログは、メチャ疲れるなぁwww
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