再起する勇気が欲しい人へ
夢や目標に向かって進んでいても、とてつもない壁に阻まれることが絶対にある。あるいは自分の実力を思い知らされ、諦念に支配されてしまうこともあるだろう。さらにせっかくチャンスを手にしているのに、自分のミスで台無しにしてしまうこともある。
そんなとき人間は、二度と立ち上がれないと感じる。ボロボロになってそれまでの夢を諦めてしまう人も多い。そこで必要になるのが、もう一度立ち上がる勇気。再起しようとする勇気だろう。
そんな勇気をもらえる実話がある。特に創作に関わっている人には多大なる勇気をもらえるはず。
20年かけた原稿3万枚が紛失→「やり直してずっといいものできた」 仏教学者のエピソードを描いた漫画が勇気をくれる
これはマジで驚いたし、本気で感動した。そしてめちゃめちゃやる気が湧いてきた。
中村元さんという仏教学者の実話。『佛教語大辞典』という本を出版されたときの出来事。なんと20年もかけて約3万枚の原稿を書かれた。これだけでも、とてつもない努力の結晶だと思う。まだパソコンがない時代なので、全部手書きの原稿。
ところがその原稿を、出版社の引越しの際に担当者がゴミとまちがって捨ててしまった……。
さすがにこれはキツい。出版社の重役等が自宅にやってきて謝罪した。もしボクだったら怒り狂うだろうし、損害賠償の裁判を起こすかもしれない。だけど中村さんは「怒っても出てこないでしょう」と言って文句ひとつ言わなかったそう。さすが仏教の本を書かれただけのことはある。
それでも1ヶ月ほどは何も手につかなかったとのこと。そりゃそうだろう。20年の努力が水の泡になってしまったんだから。そんなとき中村さんの奥さんが「やり直したら」と言ってくれたそう。それで中村さんは奮起した。
なんとそこから8年をかけて原稿をもう一度執筆された。すご過ぎる! そして無事に本として出版されることになった。そのときの中村さんの言葉がすごい。
「やり直したおかげでずっといいものができた」
この言葉にはとてつもない重みがある。短い言葉だけれど、分厚い本1冊ほどの深い洞察が込められていると思う。
もうひとつ素敵なエピソードが紹介されている。ある年配の科学者が中村さんの授業を受け、「もっと早く先生の元へ来て仏教を学べばよかったです」と言った。すると中村さんはこう答えた。
「思いついたとき気がついたとき その時が常にスタートですよ」
どれだけ打ちのめされても、もう一度やってみようと思ったときがスタートなんだと思う。中村さんはそのことを言葉だけでなく、自らの行動で証明されている。それだけに強烈な説得力がある。
これから先に落ち込むことがあったら、中村さんのことを思い出そうと思う。そして何度でも立ち上がっていきたい。
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