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高羽そらさんインタビュー

これがゾンビの起源かもね

ハリウッドでホラー映画といえばゾンビ。日本人のボクにすれば『リング』の貞子のほうがよほど怖い。だけど欧米の人たちは、死者が埋葬されたままの姿で蘇ることに強烈な恐怖を覚えるらしい。

 

最大の理由はキリスト教の影響だろう。最後の審判のときに死者が蘇ると考えられている。だから天国ではなく地獄へ連れ去られる死者を、ゾンビというおぞましい姿が象徴しているんだと思う。

 

でもそれ以外にも死者が蘇ることを恐れる理由があったらしい。それは埋葬方法を調査することでわかった。

 

中欧の奇妙なうつぶせ埋葬、「蘇る死者」を恐怖か

 

ヨーロッパで古い共同墓地が調査されているとき、奇妙な遺体が見つかった。普通遺体は仰向けにして棺に納められている。なのに一部の遺体がうつ伏せになっていた。それはヨーロッパ各地で確認されていたが、近年になって体系的な研究が行われたとのこと。

 

14世紀くらいまでは、うつ伏せ埋葬はかなり少なかったらしい。まれに見かけるのは著名な司教たち。生前に犯した罪を償うため、息を引き取る前にうつ伏せで埋葬することを依頼したそう。つまり神に対して頭を下げるような姿勢を保つためだろう。

 

ところがそれ以降になると、かなり多くのうつ伏せ埋葬が見つかるようになった。聖人の場合は墓地の中央に埋葬されていたけれど、のちに見つかったうつ伏せ遺体は遠慮するかのように墓地の隅に埋葬されていた。

 

その時代と重なるのがペストの流行。

 

いまの新型コロナウイルスでさえ世界的なパニックを引き起こした、ましてや14世紀から16世紀ころのヨーロッパにおいて、ペストの流行がもたらした恐怖は想像を絶するものだったと思う。まさに悪魔の仕業だとしか思えなかっただろう。

 

それゆえペストで亡くなった人は、神の許しを得るためにうつ伏せ埋葬されたと考えられている。さらに恐ろしいことがある。

 

埋葬が追いつかないほど遺体が増えると、当然ながら腐敗が進む。すると遺体は膨らんで変形し、腸に充満したガスが予期せぬタイミングで耳障りな音を放つ。朽ちて干からびた遺体は、肉体がしぼむと体毛や爪が伸びたように見えるらしい。

 

こうなると死者が蘇るような気がするのだろう。だから墓場から出てこないよう、うつ伏せ埋葬にする習慣が定着したらしい。それでも不安で仕方なかったと思う。そんな恐怖がゾンビという怪物を生み出したのかもしれないね。

 

つまりゾンビに対する恐怖は、宗教的な要素に加えて、ペストのパンデミックが大きな影響を及ぼしているということ。そしてその恐怖が世代を通じて引き継がれ、いまのゾンビ映画になっているような気がする。もしかしたらゾンビの起源は、ペストなのかもしれないね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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