『サイボーグ009』の世界が近い?
ボクが子供のころに夢中になったアニメに『サイボーグ009』という作品がある。石ノ森章太郎さん原作の漫画で、ボクが最初に見たアニメは当然ながらモノクロ。まだ仮面ライダーが登場する前で、改造人間という世界観に心を奪われてしまった。
主人公の009であるジョーはもちろん好きだけれど、ボクのお気に入りは002のジェット。空を飛べることに憧れがあったし、アメリカの不良少年というクールなキャラも良かった。
でもいまから考えれば、外国人に対する偏見が見え隠れしているよね。003のフランソワーズはフランス人というだけで美人だし、005のジェロニモなんて典型的なインディアンのイメージ。火を吐く006のちゃんなんて、現在の中国の人が見たら怒りそうな気がする。まぁ、そんな時代だったんだろう。
そんなアニメの世界が、もしかしたら現実となるかもしれない。
また別の電脳化技術が!脳にチップを入れ視力を回復させるバイオニック・アイ
ここのところイーロン・マスクが新しい事業を発表していた。脳に電極を移植することで、様々な障害を治療しようというもの。実用化一歩手前まで来ているとのことで、電気自動車、宇宙ロケットに続いて、イーロン・マスクの新しい顔になりそうな気がしている。
ところが同じ研究をしているのは彼だけじゃない。リンク先の記事によると、オーストラリアの研究グループが同様の実験に成功したことを報告している。
視神経の障害で目が見えない人に視力を回復させるというもの。特殊な電極を脳に移植する。視覚情報はサングラスのような眼鏡をつけて、その情報をWi-Fiのような機能で脳の電極に直送する。そうすれば視神経が機能していない人でも、視力を回復できるという研究。
なんと動物を使った実験で成功したとのこと。後遺症もなかったらしい。安全性が確認されたら、いずれ人間に施術することが可能になるかもしれない。視力を失った人にすれば、夢のような話だと思う。
ただ懸念材料は多い。いまの研究の基本は、機能障害を取り除いて元の状態を回復することに主眼が置かれている。マイナスをゼロにしようというもの。
でも脳の研究が進めば、ゼロをプラスにしようという発想が出てくるはず。つまり『サイボーグ009』の加速装置のようなものを、普通の人間に付加価値として装備することが可能になるかもしれない。
こうなってくると手放しで喜べない。改造人間はフィクションだから楽しめるけれど、現実世界においては問題があり過ぎる。こうした研究に対するリミットの設定を考慮しておかないと、歯止めが効かなくなるおそれがある。
人間としての価値を、持っている能力によって区別、あるは差別するようなことが起きてしまう。009のジョーも仮面ライダーも、サイボーグになったことで苦しんでいたからね。リンク先のような研究が、人間の能力アップに転用されることは避けるべきだと思う。
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