魂に刻まれた故郷のかけら
海外の旅番組を見ていると、移民の多い国は同じ国出身の人が集まった地域ができている。そうした特定の地域がなくても、日本人会というようなグループが結成されて、定期的な集まりが実施されている。
これは日本国内でもよくある。おそらく東京都内には兵庫県人会のような組織があるはず。人間というものは同じ地域の出身者で集まる傾向があるんだろう。なんとなくわかるよね。もしボクが関東で暮らしているとしたら、関西弁を話せる人に会ったらうれしくなると思う。
つまり同郷者にはどこか共通点があって、初対面の人であっても親近感を持てるんだと思う。それは魂に刻まれた故郷のかけらが共鳴しているんだろう。
ボクはそんな感情を抱く著名人がいる。すでに故人となっているけれど、
それはデヴィッド・ボウイ。彼がデビューしてから世界的なスターになるまでの軌跡を描いたドキュメントを観た。
『デヴィッド・ボウイ 最初の5年間』(原題:DAVID BOWIE: FINDING FAME)という2019年のイギリスのドキュメント映画。この写真はデビュー間もないころのデヴィッド。なんて美男子なんだろう!
彼の場合は奇抜なメイクや衣装のイメージが強いから、素顔の彼を見ると別人に見える。男でも惚れてしまいそうなイケメンだよね。
デヴィッド・ボウイは2016年の1月に69歳で亡くなった。その一報を知ったとき、ショックでしばらく呆然としていたのを思い出す。このドキュメントはタイトルのとおり、デビューしてから1972年にリリースされた大ヒットアルバムの『ジギー・スターダスト』までの5年間を追いかけている。
ある程度は知っていたけれど、とにかく彼は売れなかった。このドキュメントのほとんどが、鳴かず飛ばずの彼の映像ばかりが流れる。あるオーディションでの審査員の講評が公開されていたけれど、それはひどいものだった。その数年後に世界的なスターになった彼を知って、当時の審査員の人たちは真っ青になっていただろうねwww
とにかくバンドを変え、新しい曲を作り、未知のことにトライしていく。そんな彼の姿にボクは感銘を受けた。やってもやっても結果が出ない。今度こそと思っても、まったく大衆は相手にしてくれない。なのに彼は音楽を続けてきた。
ボクと世界的な大スターを比べるのが失礼なのは重々承知している。でもあえて書かせてもらうと、あきらめずに続ける根気の良さとモチベーションの高さは、おそらく魂に刻まれた故郷に共通するものだと、勝手に思いながら観ていた。
そして彼は音楽を通じて『物語』を表現しようとしていた。それゆえ『ジギー・スターダスト』という架空の宇宙人に扮したんだと思う。そしてボクも物語の魅力に取り憑かれて、結果が出ない小説を書き続けているwww
もうひとつ感じた共通点は、母親に対する想い。彼の母は息子に冷たく、自分は愛されていないと感じていた。だからどうすれば母親が自分を愛してくれるかを思い悩んでいた。だけどその想いが果たせないまま、彼の母は他界してしまう。そんな彼を見ていて、他人事のように思えなかった。
さて、なぜボクがこんな大スターにたいして同郷意識を持っているのかについてはご想像にお任せしよう。まぁ、わかるのは妻だけだろうなぁ。
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