「見たい夢をみる」装置??
夢の世界は本当に不思議で、時間の感覚も出てくる人物も予測できない。そして楽しい夢もあれば、涙を流すほど悲しい夢だったり、ガタガタと身体を震わせるほど恐ろしい悪夢を見ることもある。
夢をコントロールできて、自分の見たい夢を毎晩楽しめるなら最高。そんな装置を開発している人たちがいる。
MITメディア・ラボ、「見たい夢をみる」装置を開発…学習・創作などへの効果に期待
夢について常に関心を持っているので、こういうタイトルの記事にはすぐ反応してしまう。ただざっと読んだ感想としては??というものだった。
映画の『インセプション』のような体験ができるとのことだけれど、そもそも夢の性質がちがう。『インセプション』の主人公たちが見ている夢は明晰夢で、ボクが普段から数え切れないほど体験しているもの。
でもこの装置の夢は通常の夢なので、自分が夢の世界にいることを自覚していないケースだろう。それゆえ『インセプション』の世界観とはまったく異なる。
ただ方法としてはとてもユニーク。脳波を監視しつつ、適切なタイミングで見たい夢のキーワードを聞かせる。この実験では「木について考えてみて」というメッセージが流れ、治験者の67%が木に関する夢を見たそう。この結果だけだと成功しているように思える。
だけどボクはどうも眉唾ものだと感じている。なぜなら「木について考えてみ」という声を吹き込んでいるのは夢を見ている本人。つまり眠る前からどんな内容のメッセージが流れるのがわかっている。だからメッセージが夢に影響しているのかどうかわからない。
自分の声が必要なら、複数のメッセージを吹き込んでおくべき。そしてどのメッセージが流れるか、夢を見る人にはわからないようにしておかなければダメ。もしそれでも67%の人がメッセージ通りの夢を見たなら、この装置が機能していると考えられる。
つまり夢というのは、その人が考えていること、悩んでいること、潜在意識にため込んでいることが下地になっている。だから通常の夢を思うままにコントロールするのは難しい。
ボクが体験している明晰夢は、ある程度自分の思い通りになる。まさに『インセプション』の世界と同じ。それでもふと何かに気を取られたり、日常世界で気になっていることがあると、それらに関連した夢に一瞬で変化してしまう。
でも「見たい夢をみる」装置の完成が不可能だと言っているわけじゃない。ボクは夢の続きを見ることができるから。ある夢を見て目が覚める。その続きを知りたい場合、完全に覚醒する前ならその夢の世界を強くイメージすることで、夢の続きを見ることが可能。それは何度も成功している。
いわゆるそれは『入眠時幻覚』というもので、脳波がアルファ波、あるいはシータ波に近い状態だと、流れてくるメッセージに影響された夢を見る可能性は高い。だとしても夢だと気づいていないと、あっという間に別の夢に変わってしまう。『木』の夢でスタートしても、一瞬で『海』の夢に変わるようなことになるはず。
特定のイメージを持続させるためには、夢を見ていることを自覚していないと難しい。だから「見たい夢をみる」装置の完成には、明晰夢を見させる工程が必要になってくる。だからまだまだ先のことだと思うよ。
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