高羽そらさんインタビュー

詐欺師がつけ込むのは孤独

ふいに祇園の芸舞妓事務所で働いていたときのことを思い出した。もう20年以上も前のこと。

 

ある日、事務所に地方さんが駆け込んできた。地方さんというのはお座敷で三味線を弾いたり長唄等を歌う芸妓さんのこと。ちなみに舞を見せる芸妓さんを立方という。

 

その地方さんは70歳をすぎた一人暮らしの女性。ボクの机を通り過ぎて事務長の机の前に張り付くと、「どうしたらよろしおす?」と泣きそうな顔になられた。

 

話を聞いてみると、いわゆる催眠商法の詐欺にかかったとのこと。催眠商法というのは投げ売りの商品をエサにしてテンションを上げさせ、最後に悪質な商品を高値で売りつけるというもの。閉鎖された会場に大勢のお年寄りを集め、話し上手なMCが会場を盛り上げる。もちろんそのなかにはサクラも入っている。

 

その地方さんは羽毛布団の契約をしてしまったそう。金額を聞いているとかなりの高額。でも商品はおそらく質の悪いものだろう。事務長がクーリングオフできることを説明したけれど、高齢の女性にはよくわからない。それで事務長がその地方さんと一緒に出向いて返品処理をしたという結末。

 

なぜそんな昔のことを思い出したかというと、この記事を読んだから。

 

催眠商法の元販売員が語った意外な過去「思い出すのはお客の笑顔」

 

催眠商法の元販売員の男性に取材した記事。なかなか興味深くて、最後まで読んでしまった。

 

健康食品の販売ということで求人が出ていたそう。それで面接を受けて採用されると、いきなり販売会場に連れて行かれた。その会場で高額商品が面白いように売れて、催眠商法の効果を思い知ったらしい。

 

この会社はたしかに詐欺まがいのことをして、高額の商品を売り付けていた。ただしこの男性によると、あまり罪の意識を感じなかったらしい。お年寄りたちはテンションが上がっているせいか、最初から最後まで笑顔だったらしい。だからとてもいいことをしたような気分になったとのこと。

 

元販売員の男性によると、購入を決断しない高齢者を部屋に閉じ込めて、印鑑を押すまで帰さないという悪質なことをこの会社はやっていないそう。つまりそこまでしなくても、予定の在庫がはけたからだろう。それほど催眠効果があったんだろうね。

 

だけど高齢者が笑顔だったとしても、ある種の詐欺であることはまちがいない。そのうえひどいのは、高齢者たちが『笑顔』だったということ。

 

催眠商法に引っかかってしまうような人たちは、おそらく孤独なんだと思う。孤独に苦しんでいる高齢者に、若い男性が優しく声をかけてくれる。それも格安の商品を惜しげもなく提供してくれる。だからうれしくなって、笑顔で高額契約を結んでしまうんだと思う。そう考えただけで悲しくなってくる。

 

振り込め詐欺なんかも、その背景には高齢者の孤独があると思う。普段から子供たちとマメに交流している高齢者なら、変な電話がかかっても気付く可能性が高い。でもあまり深い付き合いがなく孤独を感じている親だと、窮地を救ってやりたいと必死になって詐欺師に騙されてしまうんだと思う。

 

最初に書いた芸妓さんの場合、事務所があったことで救われた。相談できる人がいるかいないかは、本当に大きいと思う。卑劣な詐欺被害をなくしていくためには、誰にも相談できない孤独を抱えている人を減らしていくべきなのかもしれないね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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