性差別の踏み絵となる写真
ネット社会は自分の意見を世界に向けて発信できる。ただしマナーとして、他人に対する誹謗中傷をするべきではないと大勢の人が意識している。
確信犯でもない限り、誰かに対して自分の偏見を押し付けていないか注意しているだろう。それでも何気ないことにコメントを入れたことで、その人が持っている差別意識や偏見があらわになることがある。
ある記事を見て、そのことを強く感じた。
シャツ無しブレザー1枚。フィンランド首相、ファッション誌の写真が「不適切」などと論争に
それはフィンランド首相の写真に対する論争。ファッション雑誌を飾ったサンナ・マリン首相の写真について賛否の声が飛び交っている。その写真の一部を記事から抜粋させてもらった。
ボクの第一印象として、とても素敵な写真だと思った。シャツを着ずにブレザーをはおっただけで、とてもセクシーで美しい。何より驚いたのが、フィンランドの首相がこんな美人だということ!
申し訳ないけれど、日本の管首相の雰囲気とつい比較してしまう。政治家としての能力は別次元の話だけれど、ちょっとフィンランドの人たちをうらやましく思ってしまったwww
この写真が問題となっているのは、一国の首相ともあろう人がこんな写真を撮影するのは不適切だというもの。ボクはフィンランドの首相だとわかっていても、そんなことまったく感じなかった。先ほど書いたように素敵だなぁと思うことはあっても、政治家として不適切だとは思えない。
リンク先の記事で問題となっているのは、このような意見が出るのは女性政治家だからという部分。この記事でも比較されていたけれど、プーチン氏が上半身裸の写真を公開しても大統領として不適切だという意見は出てこない。
ボクもこの記事を読む限り、マリン首相を応援したいと感じた。その代表的な意見を記事から抜粋してみよう。
「女性の政治家はその人自身の行為によってより多く判断されるべきであり、彼らの衣服の選択によって判断されるべきではない」
「女性が何を着るべきかを他人が指示するのはやめよう」
「もしこれが男性だったら、誰も『品がない』とは言わないはず。これはとても明白な性差別だ」
本当にその通りだと思う。この写真を批判する人は、女性に対する差別意識を持っている可能性が高い。
だからといって、ボクは非難する人を責めているわけじゃない。実はボクだって同じようなものだと思う。なぜならこの写真を見て肯定的な印象を持ちつつ、美人の首相をうらやましいと感じているから。つまり彼女の政治家としての能力ではなく、見た目だけで評価している部分がある。
だからボクもポジティブだとは言え、性差別意識がそこに無いと言えない。美人の首相をうらやましく思うことは、そうでない女性政治家を否定していると言われても反論できないから。
そういう意味ではこの写真についての感想は、女性に対する性差別意識が存在するかどうかについての踏み絵のような気がする。さて、あなたはこの写真を見てどう思うだろうね?
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