隠し事こそが物語の吸引力
人間というのはゴシップが大好きで、世間に隠されていることをあれこれ想像するだけでワクワクできる。だから芸能レポーターや芸能記者たちは、スクープを見つけようとして必死になる。そしてワイドショーはそのネタに高視聴率を期待する。
これは物語でも同じで、優れた作家ほど巧妙に隠し事をする。だから読者はその事実を知るまでページをくる手が止められない。
いまボクはまさにそんな状態で、真実が知りたくてウズウズしている。今回でその一部が明らかになると思ったけれど、読了してもまだわからなかった。ツラいwww
『シャドウハンター 灰の街』下巻 カサンドラ・クレア著という小説。上巻の感想については『三角関係で吸血鬼になるとは』という記事に書いているので参照を。
人間と天使のミックスであるシャドウハンター。彼らの使命は現実世界に侵入してくる妖魔を倒すこと。だけど同じシャドウハンターのヴァレンタインは仲間を裏切り、妖魔を集めてシャドウハンターたちの世界を滅ぼすことを目指している。
そんな悪役のヴァレンタインと戦うのが主人公である16歳のクラリー。人間として母親に育てられるけれど、彼女の母はシャドウハンターで、かつ父親はヴァレンタインだった。ハリーポッターの物語をイメージするとわかりやすい。
もう一人の主人公がシャドウハンターのジェイス。ジェイスとクラリーは互いに惹かれ合うけれど、二人の恋は頓挫する。なぜならジェイスの父親がヴァレンタインだとわかったから。
上巻ではヴァレンタインが魔法の杯と剣を奪ったことで、大量の妖魔たちを召喚しようとするところで終わった。そしてクラリーの親友であるサイモンが、なんと吸血鬼になってしまうというオチまであった。
下巻はついにヴァレンタインとシャドウハンターたちが激突する。ハリーポッターの最終章である『死の秘宝』のような雰囲気。この戦いで多くのシャドウハンターが命を落とす。
結果としてシャドウハンターを救ったのはクラリーだった。クラリーとジェイスの兄妹は、どうやら普通のシャドウハンターではない。なんらかの特殊能力をヴァレンタインによって持たされている。だけどその詳しい内容について、作者は『隠し事』のままで通した。それは完結編の第3部までお預けらしい。
とにかくすごい。ジェイスはこれまでのシャドウハンターを凌駕する身体能力を見せた。さらにクラリーはもっとすごい。彼女はルーン文字を創作する能力を持っていて、彼女の能力によって破壊のルーンが生成され、ヴァレンタインの所有する船が粉々に砕け散ってしまった。それゆえシャドウハンターは全滅することを避けられたというエンディング。
いよいよ第3部で決着がつくらしい。ただ作者はまだ大きな『隠し事』をしている。それはクラリーとジェイスが本当に兄妹なのかどうかというもの。
この第2部の上下巻では、そのことについて匂わす発言がいくつかあっただけ。もう少しで何かを言いそうになったシャドウハンターの審問官は、ジェイスを助けようとして妖魔に殺されてしまった。だからそれについても第3部まで持ち越しらしい。
あの二人が兄妹というエンディングはないだろう。だとしても事実がどうなのか気になる。ということで早く第3部の上下巻を読まないと、気になって眠れそうにないwww
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