好きと苦手、先に食べるのは?
今後の仕事に関わる重要な会食に呼ばれたとしよう。料理はワンプレートのみ。もちろん得意先の手前、絶対に食べ残すことはできない。
料理は主に2種類ある。一つは大好物。だけどもう一つは見るのも嫌なほど苦手な食材。
さて、あなたはどちらの料理から手をつける?
なぜこんなことを考えているかと言えば、いまのボクは大掃除をしているから。約1ヶ月の予定で1日置きに大掃除をしている。掃除期間としてはほぼ半分を過ぎた。だけど大掃除の労力全体から見れば、3分の2くらいは終了している。
なぜならしんどくて大変な掃除を期間の前半に持ってきているから。手間のかかるものや、しんどい掃除は、気分的に後まわしにしたくなるのが心情というもの。苦手なことは先延ばしにしたくなるのが人間だろう。
その感覚をわかっているからこそ、ボクはあえてしんどいことを先に終わらせてしまう。つまり先ほどの料理の問いの場合、ボクが先に食べるのは苦手な食材だということ。迷うことなくそうする。
昔のボクは反対だった。兄弟がいた影響もあるだろうけれど、好きな食べ物を取られないように先に手をつけていた。のんびりしていたら、食べたいものが無くなってしまうかもしれないから。
そしてボクの本質は怠惰。基本的に怠け者なので、一度でも歯車が噛み合わなくなると大変なことになってしまう。ボクの中学生時代の部屋は、まさにゴミ屋敷だった。面倒なこと、苦手なことを先延ばしにするのが習慣になっていて、手が付けられない状態になってしまった。
それはまだ20代のころにも継続していた。転職を繰り返していたのは、嫌なことから逃げ続けてきたから。苦手なことを先延ばしにすることで、結局は袋小路に迷い込んでしまう。だからリセットするしか方法がなくなってしまったのだろう。
でも中年になってから、そんな考え方を180度変更した。2つの選択肢があったら、面倒なこと、しんどいことから手をつけるように意識した。いつしかそれが習慣になっていて、いまではほぼ無意識にそうしている。
面倒なことから手をつけるようになってわかったことがある。それは楽しいこと、好きなことがより深く楽しめるということ。先に好きなものに手をつけても、心のどこかでやらなくてはいけない苦手なことが頭に浮かぶ。だから心の底から楽しめない。そしてそれを思い悩んでいる時間が無駄に思える。
それなら憂いを無くして、楽しいことに没頭するほうがいい。そう思えるようになってから、苦手なことを先行できるようになった。そしておおむね、そんな自分に満足している。
今日でもお昼前に買い物から帰ってきたら、お腹がペコペコで倒れそうだった。荷物の片付けを後回しにして、先にランチをしたくなる。
だけどヒィヒィ言いながらも、30分ほどかけて荷物をきちんと片付けた。そしてそれからゆっくりと時間をとって、片付けを気にすることなくランチを楽しんだ。この感覚の積み重ねは、日常生活からストレスを回避することに大きく貢献していると思う。
まぁ尋常じゃない財力と権力があれば、苦手なことを一切やらないことも可能だけれどね。すべてアウトソーシングすればいい。だけど庶民にはなかなか難しい。だからどうしてもやらなくてはいけないことは、まず苦手なことから始める。ボクはそのパターンがもっとも心地いい。
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