これぞラブストーリーの極意
どんなジャンルでも、物語には基本的なセオリーがあると思う。アクションなら主人公と戦う敵が必要だし、ホラーなら愛する人の命を奪う化け物の存在が欠かせない。
そしてラブストーリーに欠かせないのが恋のライバル。主人公の男女(いまや恋愛は男女とは限らないけれどね)の邪魔をする人物が必須となる。
ある人気シリーズの物語にも、そんなラブストーリーの極意が巧妙に使われている。
『トワイライト5 狼の月』ステファニー・メイヤー著という小説。映画でしか観ていなかった『トワイライト』シリーズの原作を読破中。全部で13作あるうち、ようやく5作目を読んだ。
ラブストーリーの主人公は、ベラという高校生とエドワードという吸血鬼。だけどベラの命を保証できないエドワードが身を引くことで、吸血鬼たちは物語の舞台となっている街を去った。それゆえシリーズの4作目後半からこの5作目にかけてエドワードは登場しない。
ベラは自分が嫌われたと思い込んでいる。だから失恋の痛手から立ち直れなくて、うつ状態になってしまう。だけどエドワードはいつも彼女を見守っていた。ベラに危険が迫ると、彼女の心にテレパシーで語りかける。
ベラはそれが幻聴としか思えない。だけどエドワードの声が聞きたいばかりに、わざと危険なことばかりをやらかす。この5作目ではもう少しで死ぬところだった。
そのうえ第3作で自分のパートナーをエドワードに殺された吸血鬼のヴィクトリアが、エドワードに復讐するためにベラの命を狙っている。そんな彼女を守っているのは年下のジェイコブ。つまり彼こそがエドワードとベラのあいだに割り込むライバルとなる。
もちろんジェイコブは普通の人間じゃない。この5作目で自分が人狼であることを知ってしまう。つまり恋のライバルであるエドワードとジェイコブの二人は、吸血鬼と人狼という憎み合っている種族でもあるという最悪の状態。
結論からいえば、ジェイコブに勝ち目はない。どうあってもベラが本気で愛しているのはエドワードだけだから。ところがジェイコブがこれまた最高にいいやつ。本気でベラを愛しているし、強くて誰よりも優しい。
このジェイコブのキャラに、読者は悩まされる。だって自分がエドワードに捨てられたと思い込んでいるベラにとって、ジェイコブほど自分を癒してくれる存在がいないから。もしかしたら彼を愛することが、自分にとっていいことではとベラは思い始めている。だから読者はヤキモキする。
これこそがラブストリーの極意だよね。このあたりの場面はよく覚えているので、ボクは映画の第二作目まで観ているらしい。ということは知っている原作は次の第6作目までかな?
第7作目からはボクにとって未知の物語になるはず。この3人がどうなっていくのか早く知りたいので、とにかく次の第6作目を早急に読まなければ。シリーズものって、ハマってしまうと本当に楽しいよなぁ。
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