高羽そらさんインタビュー

時代設定の悪い見本だな

人間性の本質的な部分は、2千年前の人たちと現代人を比べてもさほど変わらないと思う。喜びや楽しみというポジティブな感情も、怒りや悲しみというネガティブな感情も、同じようなシチュエーションで感じるはず。子供を愛する気持ちや、嫉妬に苦しむ感情は同じだろう。

 

だけど文明の進化とともに、人間の意識も変化していく。善悪の観念や社会システムに対する概念は、ボクたちが想像している以上にかけ離れている。だから過去の人たちが社会的に不満を覚えるシチュエーションと、現代人が抱える苦悩はまったくちがうはず。

 

ある作家の言葉だけれど、時代小説というのは舞台を過去にしているだけで、結局はいまの人間を描いていると語っておられた。そのとおりだと思うけれど、その時代のルールや概念から逸脱するのはタブー。そのタブーをやらかしてしまった映画を観た。

 

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『英雄の証明』(原題: Coriolanus)という2011年のイギリス映画。シェイクスピアの悲劇である『コリオレイナス』という作品を、そのまま現代劇に移行させた作品。古代ローマ時代の物語を、現代劇にしたという挑戦的な作品。

 

監督は『ハリーポッター』のヴォルデモートで有名なレイフ・ファインズというイギリスの名優。監督だけでなく主演もしている。そして共演はジェラルド・バトラー、ヴァネッサ・レッドグレイブ、ジェシカ・チャスティンという素晴らしいラインナップ。これだけで期待しちゃうよね。

 

その点については満足できる作品だった。レイフ・ファインズ演じるコリオレイナスはローマの軍人。ジェラルド・バトラー演じるヴォルサイ人のオーフィデイアスの攻撃を防いできた。コリオレイナスによってローマは守られてきたと言っていい。

 

なのに野党に煽動された民衆の反感を買い、コリオレイナスはローマを追放されてしまう。怒りに燃えたコリオレイナスは宿敵のオーフィデイアスと組むことで、自分の祖国であるローマへと侵攻するという物語。

 

出演者たちの演技は素晴らしく、この点に関しては見応えがあった。さすがボクの大好きなイギリス映画。

 

ところが監督としてのレイフ・ファインズは致命的なミスをしている。シェイクスピアを敬愛するあまり、ストーリーをそのまま現代劇へと移行させている。だからその違和感がずっと気になって仕方ない。

 

簡単に周囲の意見に翻弄される民衆は現代でも同じかもしれない。だけどコリオレイナスの追放に至る過程が、あまりにも現代人の感覚とかけ離れている。セリフやその言い回しも古風なままだし、登場人物たちの人生観や概念がどうにも現代とそぐわない。

 

戯曲をそのまま現代の時代設定にあてはめたような作品だった。時代設定が古代ローマだったら違和感がないのに、物語は現代で進んでいくからその違和感がどうにも気持ち悪い。それ以外は完璧だっただけに、とても残念な作品だと感じた。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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