香港脱出を容認する中国の意図
3日前の23日、予想していたとはいえショックなニュースが飛び込んだ。
香港の民主活動家であるアグネス・チョウさんとジョシュア・ウォンさんが収監された。罪状は昨年に行われた「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモを扇動したというもの。
保釈中のアグネスさんはその直前までツイートをしていたけれど、いきなり代理人のツイートで収監の事実を知らされた。それだけに事態の緊迫感が強烈に伝わってくる。12月2日に量刑が言い渡されるとのこと。
香港司法によるこの収監は、政権が定まらないアメリカの状況を見越した行動のように感じてしまう。とにかく発表される量刑に世界中が注目することになるだろう。
アメリカ政府が少しでも早く中国に対する今後の対応を示さないと、この動きがさらに加速する可能性がある。そんな状況を危惧してか、大勢の香港人が台湾への移住を申請しているとのこと。
移住者が急増している理由は、もちろん香港国家安全維持法。この法律によって中国政府の締め付けがきびしくなるのを危惧した人たちが、生まれ育った祖国を脱出しているとのこと。アグネス・チョウさんたち収監のニュースは、さらにその行動を加速させるだろう。
台湾への移住希望者には産業界や大学で働く専門職のほか、会計士や弁護士、ジャーナリスト、香港政府の公務員なども含まれているそう。その多くが台湾を移住先に選んでいるけれど、なかには日本、マレーシア、タイへの移住を希望する人もいるとのこと。
ただどうしても気になることがある。この記事では詳細がわからないけれど、その移住が進んでいるとしよう。だとすると香港の人たちが台湾へ移住することに関して、中国政府が黙認していることになる。どうもこれが不気味で仕方ない。
もしこれが事実だとすると、中国政府の意図はどこにあるのだろう?
考えられるのはスパイの派遣。移住希望者に中国政府の工作員を紛れさせることは簡単だろう。そのまま移住が認められたら、台湾人、あるいは日本人として工作活動に専念できる。うがった見方かもしれないけれど、そんなことを考えてしまう。
あるいは台湾への移住者が急増したことを理由にして、軍事行動を起こす大義名分にすることも考えられる。次のアメリカ大統領が正式に決まっていない状況なので、中国政府はそのあたりを様子見中の可能性がある。アメリカ新政権の意向によっては、台湾に対して強圧的な行動に出るかもしれない。
もし中国と台湾が軍事衝突を起こすことになれば、日本だって傍観しているわけにいかない。それこそコロナ騒ぎがぶっ飛ぶほどの大事になってしまう。とりあえずアメリカが不安定な状況のいま、世界中の政府が中国に注目していることを表明するべきだと思う。なんとなく不安を覚える記事だった。
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