普及しないのは中途半端だから
先日、残念なニュースを見た。マイナンバーカードと銀行口座の紐付け義務化が見送られるとのこと。2年後には運転免許証と一緒にできるという方針を取りつつも、肝心なことが前に進んでいない。
個人情報の流出を危惧する声があるけれど、ボクはマイナンバーカード制度に賛成している。個人認証という面において、これからのネット社会を考えるとメリットのほうが圧倒的に高いから。
でも政府に本気で普及させようという気持ちがあるのか疑問に思う。先ほどの銀行口座の件がその悪例。思ったように普及しないのは、その中途半端さゆえだと思う。ある記事を読んで、さらにその意を強くした。
日本政府はマイナンバーカードの発行枚数を、2019年4月には8700万枚にすることを計画していた。だけどその時点でまったく目標とかけ離れていて、今年になって5000円分のマイナポイントを付与したにもかかわらず、11月の時点でまだ2777万枚とのこと。ボクも申請していない数に入る。
ところが同じようなシステムがインドにもあり、申請するかどうかは任意。なのにわずか8年あまりで申請者は国民の92.2.%に達している。人口の多い国だから、12.3億人が登録済みということになるそう。すごいよね。
その理由はカードの機能として、個人を証明することに関して徹底しているから。インドは登録時に10指の指紋と虹彩までカードに読み込ませる。だから同姓同名の人がいても間違われることがないし、カードを盗まれても悪用される可能性が低い。
さらに様々なサービスがカードに紐付けされているから、任意であっても申請する人が多いんだと思う。同じく人口の多い中国も同じで、個人認証のシステムとして高い機能を有しているそう。
ところが日本の場合はマイナンバーの使用が法律によって制限されている。社会保障、税、災害対策の3つのみ。だから社員や取引先の税金申告目的でマイナンバーを提出させるのはいいけれど、それ以外の目的で集めると違法になってしまう。
そのうえ個人認証として中途半端だから、免許証のコピー等を添付するようなことになってしまう。個人を識別するという本来の目的を明確にして、その利用法に対する制限を緩和していかないと普及するわけがない。
いまの時代成人であれば、個人情報を守る努力は必須。そのために最低限のスキルを身に着ける必要があると思う。そのうえでマイナンバーが運転免許、銀行口座、クレジットカード、健康保険証、年金番号等と一体化すれば、これほど便利なものはないと思う。
そしてそのシステムを応用することで、民間企業の参加に加えて、様々な行政サービスを展開していけると思う。できることならスマートフォンにすべて収まればベストなんだけれど。でもいまの状況を見ている限り、やってきそうもない未来だよなぁ。
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