ようやく原作に追いついた!
朝と同じくパソコンでブログの書き込みができないので、この記事もスマートフォンにて作成。この機会に慣れておくといいかもね。
今日観た映画は、ボクがずっと原作を追いかけているシリーズ作品。実は映画が初見で、それで気に入って原作を読むようになった。
すでにシリーズは8作目まで出版されていて、そのうち7作品をすでに読了。最新作の8作目は図書館での予約待ち中。
そして人気作なので、映画も第4作までが公開されている。デンマークの作家なので、もちろん映画もデンマークで作られている。
ただ原作はとても奥深く、主人公たちの人間模様が複雑に絡み合っている。第2作目以降は原作を読んでから映画を観たせいか、映画のひどさにショックを受けた。
特に第3作目は原作の良さが台無しで、正直言って腹が立った。だから今後は原作だけにして、映画を観るのはやめようと決めた。
だけ最新作の映画を発見。そしてつい我慢できなくて観てしまった。
『特捜部Q -カルテ番号64-』という2019年のデンマーク・ドイツ合作映画。レギュっラー陣は第1作目から同じで、この物語の人気度がよくわかる。
期待せずに観た。思ったとおり、ストーリーは原作から大きく変更されている。だけどそのちがいが気にならない。ようやく第4作目で原作の魂を取り戻したと感じる秀作だった。
この原作はある実話に基づいている。1950年代、デンマークには若い女性用の収容施設があった。知的障害がある女性だけでなく、いわゆる手に負えない非行女性を収容したもの。
といってもこの時代のことだから大人、それも男の都合によるもの。娘が男性関係を持っただけで、その施設に放り込む親もいた。施設の存在を知った原作者が、この作品でその実態を取り上げている。
施設で強制的な不妊手術が行われていたという内容。その発想の根底にあるのは、とても恐ろしい優生思想。優れた遺伝子しか残さないという考えに基づいていた。
この施設で不妊にされた若い女性が、関わった人間たちに復讐するという物語。原作はかなり恐ろしい内容だったけれど、映画ではオブラートに包んであった。
ボクが今回の作品を気に入ったのは、原作のテーマから逸脱していないということ。デンマークが過去に抱えていた闇に対して、逃げずに正面突破している。
そして特捜部Qの3人について、ようやく原作の彼らに近づく姿勢が見えてきた。この部署は未解決事件を扱う場所。
刑事のカール、アシスタントのアサド、そしてローセという紅一点の秘書も大活躍する。それが先程の写真の3人。
この映画でようやく3人の強い絆が描かれていた。本当はもっと複雑で、この3人はとてつもない問題を抱えている。それを承知の上で彼らは互いを必要としていた。
そんな原作の3人の姿が垣間見えたことで、ボクは映画に満足した。この雰囲気なら次の作品も期待できそう。楽しみだなぁ。
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