事なかれ主義の弊害
日本人ってユニークな民族だと思う。特に関西人!
大阪の吉村知事が、新型コロナウイルスに関する大阪モデル初の赤信号を決めた。そのあとすぐに週末を迎えて、大阪の街がどうなるのか注目された。
なんと大阪城周辺も道頓堀も人がガラガラ。大変なことになってますよ、という知事の一声で、罰則もないのに意向にしたがうなんてすごいと思う。ヨーロッパやアメリカでは考えられないだろう。
逆にいえば日本人は同調圧力に弱いということ。他人ともめ事を起こすことを嫌い、事なかれ主義が働くんだと思う。いまの状況で旅行に出かけたら、近所の人たちに何を言われるかわからない。そう思うだけでキャンセルしてしまうんだと思う。
ただ波風を立てない事なかれ主義は、場合によっては問題をさらに複雑にしてしまう。
数年にわたるマンションの「管理費未納者問題」がやっと片付いたので、淡々と経緯を書く。
分譲マンションを購入しても月々の費用が発生する。それは管理費と修繕積立金。どちらもマンション住人の生活を守るために必要な負担。ただどこの分譲マンションでも、管理費の未納問題が発生する。
リンク先の記事は、数年にわたる管理費未納問題のゴタゴタをまとめたもの。分譲マンションに住んでいる人は、とても参考になると思う。
とにかくこのマンションの理事会が事なかれ主義に支配されていた。未納に関する明確な規定が存在していないので、未納者に督促はするものの強くいえない。住人同士のトラブルになるのを避けたいゆえだろう。
記事の著者は何度も弁護士を通じて法的手段を取ることを主張したけれど、理事会の役員たちはあいまいな態度。結局、問題解決まで数年を無駄にしてしまうことになった。
その未納者は金がないから払えない、と泣きついていた。ところが数年経って誰かがFacebookをチェックしたとき、その人物が旅行に行っている写真等をアップしていたらしい。その記事を見て、ようやく理事会の役員たちも重い腰をあげた。
弁護士を通じて裁判所から通知を出すと、とたんに態度を豹変させたらしい。お金はないけれど、延滞金だけでも払うと言い出した。もっと早く法的処置を取っていれば、未納金がたまることがなかったのにね。
その未納者は住宅ローンも滞納していたそう。無理して旅行に行ったのは、SNSにおける承認欲求を満たすため。最終的にローンが破綻してその住人の部屋は競売にかけられた。未納の管理費に関しては、競売の購入者に負担してもらうことで決定。そこに至るまで数年間のゴタゴタを要したとのこと。
これは事なかれ主義がもたらした弊害だと思う。波風を立てたくない理事会の役員たちによって、結局は解決を遅らせることになってしまった。こうした最低限の義務に関しては、滞納期間の限度を決め、それを超えたらすぐに法的処置を取るという規約を作っておくべき。
住人の心情を考慮するより、機械的に処理していくべきだと思う。著者も結論としてそのことを述べておられる。
ちなみに我が家のマンションに事なかれ主義はない。理事会だよりを見ていると、過去にあった未納者については法的措置がとられている。だから回収できずにうやむやになるようなことは起きていない。本当の意味で波風を立てないというのは、毅然とした態度で住民全員にとって公平な措置を取ることだと思う。
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