いい男は過保護で忍耐強い
女性作家が書く恋愛小説において、主人公と恋愛する男性は理想系なのかも。つまり著者がどんな男性を素敵だと思っているか、その小説から見えてくるということだろう。
ステファニー・メイヤーというアメリカのベストセラー作家は、過保護だけど忍耐強く、そして自分を全面的に信頼してくれる男性が好みなのかも、なぜなら主人公の恋人であるエドワードが、まさにそのとおりの男性だから。
2021年 読書#6
『トワイライト7 赤い刻印』ステファニー・メイヤー著という小説。全巻で13部ある『トワイライト』シリーズの第7弾。ここまで来るとボクにとって未知の物語になってきたので、映画で観たのはこれ以前のストーリーということだろう。
吸血鬼のエドワードと女子高生のベラとの恋愛物語。その二人に人狼のジェイコブが関わってくる。前回でベラの元へと戻ってきたエドワード。彼女のことを思って離れたけれど、すでに吸血鬼と深く関わってしまったベラを守るためには自分が近くにいるべきだ考え直した。
そしてそれ以上に、二人は離れていることに耐えられなかった。恋愛ドラマとしてはなかなかいい雰囲気。だけど二人には大きな問題がいくつかある。
ひとつはヴィクトリアという吸血鬼の存在。ベラを狙ったジェームズという吸血鬼はエドワードたちによって殺された。ヴィクトリアはジェームズの恋人で、逆恨みをしたことでエドワードに復讐するためにベラの命を狙っている。
このことは人狼のジェイコブも知っていて、ベラを愛しているジェイコブは常にヴィクトリアの動向をチェックしている。もしベラに近づけば、人狼の仲間たちで殺してしまうつもりだった。
もう一つの問題は、自殺しようとしたエドワードを助けたことで、イタリアの吸血鬼にある約束をしてしまった。秘密を知った以上自分は吸血鬼になる、と。もしその一族がイタリアからアメリカにやってきてベラが人間のままだと知ると、問答無用で殺されてしまう。
吸血鬼になることはベラの願いでもある。永遠のティーネイジャーであるエドワードと添い遂げるために、ベラは吸血鬼になることを決めている。自分だけが年老いて死ぬことなんて耐えられない。それゆえ高校卒業と同時に吸血鬼になるつもりだった。
ところがそのことによって、エドワードとジェイコブの一族が全面戦争になる危機があった。今回はそのあたりの状況がさらに複雑化していく様子が物語の中心になっていた。
ベラはジェイコブとの友情を守りたいけれど、過保護のエドワードはそれを許さない。人狼は感情を抑制できないと危険だというのが理由。だから彼が不在のときには、姉のアリスを見張りにつけたりしている。
エドワードは過保護だけれど、忍耐強い一面もある。ベラの血の匂いは特殊らしく、吸血鬼がその欲望を抑えるのは難しい。なのに彼はベラを抱きしめたりキスをしても、その欲望に打ち勝っている。ベラにすれば過保護だけれど自分を守ってくれ、さらに忍耐強さも見せてくれる理想的な男性。
そのうえこの作品のラストでは、ベラが人狼のジェイコブに会うことを認めた。それはベラを信頼しているから。ジェイコブは自分を襲わないというベラの言葉を信頼すると明言する。
過保護で忍耐強く、そして全面的に信頼してくれる。著者にとって、きっと理想的な男性なんだろうね。こんないい男、なかなかいないよなぁwww
ただ次回作に向けて、不穏な空気に満たされつつある。正体不明の吸血鬼がベラの留守宅に侵入していた。次の第8弾ではいよいよ大きな動きがありそう。さっそく読まなくては〜〜!
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