夢を叶える方法は一つじゃない
先日観た映画で恋人を演じた二人の別バージョンが観たくなった。昨日のブログで『ラブ・アゲイン』という映画の感想を書いた。その作品で恋人を演じていたライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが出演している、あの有名な作品を再び観た。
2021年 映画#20
『ラ・ラ・ランド』という2016年のアメリカミュージカル映画。『ラブ・アゲイン』ではハッピーエンドで終わった二人だけれど、この作品では残念なことになっている。ただ初めて観たときはそのエンディングがショック過ぎて、この作品にあまりいい印象を持っていなかった。
だけど今回は結果を知りつつ観たことで、この映画の良さがようやくわかったような気がする。それはこの映画での二人の恋が、『ラブ・アゲイン』のパラレルワールドのように感じられたせいかもしれない。別の映画で一度は二人の幸せな姿を見ているからねwww
これは二人の男女が夢を叶えようとする作品。ライアン・ゴズリング演じるセバスチャンは、ジャズピアニストとして、本格的なジャズを聞かせる自分の店を持つことが夢だった。
一方エマ・ストーン演じるミアは、女優として成功することが夢。だけど二人はその夢が遠のくばかりで、どうにもうまくいかない。そんな二人だからこそ支え合うことで、互いの夢を叶えようとするのは自然な成り行き。
なのになぜ二人の恋は実を結ばなかったのか? それは夢へのアプローチがちがったから。
セバスチャンは自分の信念を曲げ、不本意ながらジャズとはジャンルのちがうバンドに参加した。それは店の開店資金を稼ぐという名目。ただ本音としてはしっかり稼ぐことで、エマとの結婚生活を夢見ていたのだろう。
エマは逆に自分の信念を曲げず、アルバイトをやめて一人芝居の台本を書いて舞台で演じる。そう言う意味ではブレない女性。ただし興行的には大失敗で、失意のまま実家に戻ることになってしまった。だけどその努力は無駄ではなく、有名女優となる貴重なきっかけとなっている。
うまく行きそうに思えた二人なのに、5年後のシーンでは他人となっている。エマは大女優となって夫と子供がいた。セバスチャンもジャズを聴かせる最高の店を持つことができた。それぞれの夢は叶ったけれど、二人は別の人生を歩むことになってしまうというエンディング。夢を叶える方法は一つじゃない。ただこの二人の場合は、その方向性が合わなかったということ。
『ラブ・アゲイン」とちがって、この映画の二人は恋人として成立しないパラレルワールドのような気分で観ていた。だから初回ほどショックはなかった。ただし結果としてその『感覚」が、ラストでボクの号泣を誘うことになってしまった。なぜなら3つ目のパラレルワールドが存在するのを忘れていたから。
ラストシーンで、夫と二人でセバスチャンの演奏を聴くエマ。だけど彼女の妄想は二人の出会いに始まり、二人一緒に夢を叶えたというパラレルワールドのミュージカル映像になる。その一部が先程の写真の二人。
二人が夢を叶え、一緒に暮らし、愛らしい子供に恵まれる。そんなあり得ない3つ目のパラレルワールドを見せられたことで、ボクの涙腺は崩壊してしまった。最初に観たときはイマイチの映画だと思ったけれど、まさか泣かされるとは思わなかった。この作品はボクの好きな映画になってしまったなぁ。
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