想像力を刺激する本能寺の変
新型コロナで中断される時期があったけれど、どうにか無事に『麒麟がくる」が終了した。
といってもボクは周回遅れなので、今日になってようやく最終回前の録画を観た。安土城に招かれた徳川家康を接待する席で、信長に叱責されて殴られるシーンで終わった。つまりそこから本能寺の変へとつながる。
ボクが戦国武将でもっとも好きなのは織田信長。だけど負けず劣らずオシなのは、今回のドラマの主人公である明智光秀。その次に興味を持っているのは羽柴秀吉。つまりこの写真に写っている3人ということ。
この1年以上のあいだ、ドラマを見るのが毎週楽しみだった。長谷川博己さんが演じる光秀は好感が持てて、最初から最後まで本気になって応援していた。ボクが抱いている光秀像に近いキャラ設定だったから。帰蝶役のトラブルやコロナによる中断があったのに、最後まで完走できて本当に良かった。
スタートしたときはやや心配だった染谷将太さんの織田信長。だけど回を重ねるごとに信長の闇の部分が演技に加味されて、素晴らしい信長役だったと思う。いやぁ、本当にうまい俳優さんだよね。
でもボクがもっとも感心して見ていたのは、羽柴秀吉を演じた佐々木蔵之介さん。いやぁ、ボクが知っている限りで最高の秀吉だったと思う。相手の懐に飛び込む『人たらし』の部分だけでなく、謀略を常とする秀吉の腹黒さが恐ろしいほどに伝わってきた。
さてこの物語で最初から注目されていたのは、本能寺の変の理由。なぜ光秀は信長を殺そうとしたのか?
まだ最終回を観ていないボクだけれど、Twitterである事実だけは知ってしまった。どうやら光秀は死んでおらず、天海僧正として家康の参謀になったというオチらしい。そういえばラスト前の2回ほどで、光秀と家康の距離が大きく縮まっていた。やっぱりそうきたかwww
ただ信長を殺した理由はどうなったんだろう? 信長が憎いというよりは、天下を平かにする人物でないと見切ったところに理由がありそうな雰囲気。
このあたりは歴史家も悩んでいるところ。光秀の謀反にはこれまで様々な理由が取り上げられてきた。天皇家の謀略説、足利義昭の黒幕説。最近の研究では、四国の長宗我部氏に対する信長の態度に、光秀が我慢ならなかったという説もかなり強い。
領土安堵を理由に長宗我部と話をつけたのに、信長が急にその方針を変更したから。あいだに入った光秀の立場がなくなったということ。まぁ、どれもこれも理由になるという状況なので、とにかく本能寺の変ほど想像力を刺激する事件はない。
ボク個人の『好み』としては、秀吉陰謀説が気に入っている。もっと明確にいえば、『光秀冤罪説』。これに関する書籍を読んだとき、我が意を得たり、という気持ちになった。
信長包囲網はある程度完成していた。おそらく背後にいたのは秀吉。家康はその謀略を知ってあわてて堺から命からがら逃亡している。光秀としては秀吉の応援で毛利攻めに参加するつもりだった。ところが主君である信長の危機を知った。
それで本能寺に救援に行ったつもりが、謀反の冤罪をかけられてしまったという説。秀吉によって罠が仕掛けられていて、本能寺に向かったことで謀反人として追われる立場になってしまった。ここでは書かないけれど、その後の光秀の行動はその説を裏付けている。
ボクのイメージする光秀だとすれば、おそらく信長を助けに行こうとするはず。物語としても、単なる謀反より圧倒的に面白い。あくまでも『好み』なんだけれど、光秀冤罪説のドラマが観たかったなぁ。まぁ、NHKのドラマでその説が採用されることはないだろう。
とにかく来週になるけれど、じっくりと最終回を楽しみたいと思う。そのあとは、しばらく光秀ロスになりそうだなぁ。
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