『知らんけど』の発祥
関西人にとって最強で、使い勝手のいい言葉がある。それは「知らんけど」という締めの言葉。
使い方はいたって簡単。あいまいで自信のない事柄について、さも知っているかのように言い切る。そしてその最後に、「知らんけど」と付け加える。
悪くいえば責任逃れの言葉なんだけれど、いい意味では場の空気を盛り上げるために使う。まぁ関西人の場合、あまり深く考えずに使っているだろうけど。
昨日の夕方、その『知らんけど』について検証されている番組があった。日本テレビ系列で関西ローカルの読売テレビで放送されている、『関西情報ネットten.』という夕方の報道番組。
その番組のコーナーで『知らんけど』の発祥について調べてほしい、という依頼が視聴者からあった。ボクも発祥は知らなかったので、興味深く見ていた。
結論からいえば、この言葉の発祥は不明とのこと。いつしか使われるようになっていたことしかわからない。
元々は言葉の前に、「よう知らんけど」という前置きとして使われていたらしい。それがいつしか語尾に持っていかれるようになり、何かを言い切ったあとに「知らんけど」と付け加えるようになった。
そういえばボクの親世代は、「よう知らんけど」という言葉に続いて、さも詳細を知っているかのようにいろんなことを話してくれた。それが事実かどうかは「よう知らんから」自分で判断しろ、ということなんだろう。
もちろんこれは関西だけの言い回し。『知らんけど』の発祥は分からないけれど、この言葉が使われることになった文化的背景については説明があった。
関東は武士の国。だから嘘をつくことを嫌う。曖昧なことについては、口にしないという風潮があったそう。だからよく知らないことについて、知ったかぶりで話すことはしない。
ところが関西人はちがう。会話というのは事実の正確さよりも、面白いかどうかが優先される。だからあいまいなことについても、さも自分が見たかのように話す。たっぷり擬音をつけてね。その予防線として、冒頭に「よう知らんけど」といったり、最後に「知らんけど」というようになったそう。
語尾に使われるのは、オチのない話を嫌う関西人の特質らしい。関西人はオチのない話は基本的にしない。オチがなかったら、「オチがないやんけ」と突っ込まれる。それゆえあいまいなことを口にしたとき、「知らんけど」と笑いを誘うことでオチに替えているということらしい。この気持ちはよくわかる。
ただし『知らんけど』を使う際の注意事項が指摘されていた。
『知らんけど』が通用するのは関西だけ。もし関東の人にこの言葉を使ったら、信用できない人だと判断されてしまうとのこと。ヤバい。ボクは普通にブログで使ってるやんかwww
でもいまは関西の文化も全国で認知されているはず。大勢の関西出身の芸人さんが関東で活躍しているからね。だから関東の人との会話や、こうしたブログで関西特有の表現を使っても絶対に伝わると確信している。知らんけどwww
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