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高羽そらさんインタビュー

故人も交えた壮大な同窓会

映画館に行こうかと迷いながら見逃した邦画がある。その作品が昨日になってBSで初放送されていたので、狂喜乱舞しながら録画。そして今日になってようやくその作品に会うことができた。

 

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2021年 映画#46

『男はつらいよ お帰り寅さん』という2019年の作品。『男はつらいよ』シリーズの公開50周年を記念して作られた作品で、現在における登場人物たちの生活が描かれている。

 

『男はつらいよ』という作品について説明は不要だよね。知らない人や興味のない人は、この先を読まないから書かなくてもいいだろうwww

 

現実問題として、車寅次郎を演じた渥美清さんは亡くなっている。だから続編といっても、当然ながら彼が現在の場面で登場することはない。それどころか、この作品のレギュラーだった人の多くが故人となっている。

 

おいちゃんを演じた、森川信さん、松村達雄さん、下條正巳さん。

 

おばちゃんを演じた三崎千恵子さん。

 

たこ社長を演じた太宰久雄さん。

 

御前様を演じた笠智衆さん。

 

『男はつらいよ』の全作品を何度も観ているボクにとって、絶対に欠かすことのできない人たちばかり。だからこそ、現在の物語の世界がどうなっているかを、どうしても知りたかった。

 

まずおいちゃんとおばちゃんが営んでいた団子屋さんは、なんとカフェになっていた。だけどそのバックヤードは以前と同じ作りで、その家にはさくらと博の老夫婦が住んでいる。家具や電化製品こそ新しくなっているけれど、あの間取りを見ただけでボクは泣きそうだった。もちろんさくらと博は、倍賞千恵子さんと前田吟さんが演じている。

 

満男はサラリーマンを辞めて、なんと小説家として生活していた。中学生くらいの娘と二人暮らしで、妻は6年前に病気で亡くしている。つまり吉岡秀隆さん演じる満男は、後藤久美子さん演じる泉と結ばれることはなかったということ。今回の物語は、この二人がメインとなっている。

 

過去のレギュラー陣で元気な姿を見せてくれたのは、リリーを演じた浅丘ルリ子さん、源公を演じた佐藤蛾次郎さん、たこ社長の娘を演じた美保純さん、そして泉の母親役を演じた夏木マリさんというところ。

 

物語は外国で暮らしている泉が、偶然に満男と再会したことで展開していく。だけど泉はたった3日間しか日本に滞在できない。それぞれに家庭を持っているけれど、ラストでは二人がいまでも愛し合っていることがわかる。なんとも切ないシーンだった。

 

全体として過去のシーンがフラッシュバックのように効果的に使われていて、寅さんファンのボクはその度に泣いてしまう。特に満男たちが登場するシーンは、本当に若い時代の彼らだからたまらない。ラスト近くで過去のマドンナが一斉に登場するシーンにも泣かされた。

 

おいちゃんとおばちゃんは、現実同様亡くなったことになっている。となると主人公の寅さんは?

 

寅さんに関しては思い出話ばかりで、いまどこでどうしているのか語られない。ただ一度だけ、妹のさくらが兄について述べた。

 

「お兄ちゃんがいつ帰ってきてもいいように、二階の部屋はあけてある」というニュアンスのセリフ。

 

つまり少なくとも映画のなかの寅さんは死んでいないということ。きっとどこかで旅を続けていて、老人になってもふらっと柴又に戻ってきているのだろう。出演者たちの演技や言葉に、そのことを信じさせてくれるようなものを感じられてうれしかった。

 

とにかく故人を交えた壮大な同窓会のような、寅さんファンにはたまらない記念的な作品だった。でもひとつだけ苦言を呈したい。

 

オープニングの桑田佳祐さんによる歌のシーンは絶対にいらない。この映画のコアなファンの人は、きっとそう思っているはず。あの歌は渥美清さんでなければダメ。エンディグは渥美清さんの歌でホッとしたけれど、もしラストも桑田さんが歌っていたら、ボクは激昂していたと思う。もし今度この映画を観る機会があったとしても、最初のシーンは早送りにする。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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