コロナワクチンが生む格差
格差社会が問題視されるようになって久しいけれど、新型コロナウイルスが新たな格差を生み出しているような気がする。
特にワクチン接種の有無による格差が広がっていきそうな予感。ある記事を読んでそう感じた。
抗体保有を示す「COVIDパスポート」、サッカー試合などで試験運用へ 英イングランド
新型コロナワクチンが生み出す格差として、すでに表面化しているものがある。それは国家間の格差。
まずワクチンの供給が先進国中心となっている。それゆえ発展途上国にはワクチンが行き届いていない。現代社会が有している国家間の格差が如実になっている。さらにワクチン事業の立ち遅れによる格差も生じている。
人口あたりの接種率が高いのはイスラエル。それなりに問題はあるけれど、ワクチン接種に伴って感染者数や重症者数の減少が確認されている。その一方で先進国であるはずのフランスでは、今月の3日に3度目のロックダウンが実施された。これは日本も同じようなもの。その理由はワクチン接種が進んでいないから。
一方着実にワクチン接種を進めているのがイギリス。これまでに3150万人以上が1回目のワクチンを接種。2回の接種が完了している人は540万人近くにのぼっているとのこと。日本なんてまだ医療従事者だけだからね。
これを受けてイギリスではある試みが検討されている。「COVIDステータス証明書(COVIDパスポート)」というもので、基本的にワクチン接種による抗体の存在を証明するもの。感染者も抗体確認によって証明書が発行される。ワクチンを接種していない非感染者については、直近の陰性証明になるとのこと。
このCOVIDパスポートを導入することで、スポーツイベント等の参加者をより分けることが検討中らしい。いまのところ話題になっているのは、サッカーのFAカップ決勝戦にCOVIDパスポートがないと入場できないというもの。
様々なイベントで試験導入される予定で、音楽のライブ等にも使われる可能性が高い。こういうことを検討できるほど、イギリスのワクチン接種は進んでいるということなのだろう。
ただCOVIDパスポートの導入によって、これまで国家間の格差だったものが、国内の格差に発展するかもしれない。COVIDパスポートを持っている人が常に優遇され、持っていない人は差別の対象になる恐れがある。
ワクチン接種に抵抗がある人や、ワクチン接種の対象となっていない未成年たちは、COVIDパスポートを手にするために陰性を証明しなければいけない。だけど抗体があるわけじゃないから、その後に感染することも考えられる。だからCOVIDパスポートの証明内容によってさえ、区別されてしまうかもしれない。
ファイザーの最新研究によると、ワクチン接種による抗体効果は半年以上続くことが確認されている。こうなるとますますCOVIDパスポートが幅を利かすような気がする。持つものと、持たざるものの差は大きい。
イベント関係者にすれば、COVIDパスポートは明るい兆しだろう。だけど現状を見ていると、まだまだ大きな波乱がありそうだよなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。