イメージのアップデートが大変
人間は街を歩いているとき、大勢の見知らぬ人がいるなかで知り合いの顔を瞬時に見分けることができる。iPhoneのFace IDも顔負けの素晴らしい能力。
それは知人のイメージを厳格に固定化して、脳のデータベースに保存しているからできることだろう。だから人のイメージを固定化するのは、人間にとって本能的なものだと思う。それゆえ、その固定したイメージをアップデートするのは大変。
ある映画のリブート作品を観て、主人公のイメージを変えるのに苦労した。
2021年 映画#56
『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(原題: Tomb Raider)という2018年のアメリカ映画。
ボクの世代にとってトゥームレイダーといえば、頭に浮かぶのは主人公のララ・クラフトを演じてブレイクしたアンジェリーナ・ジョリー。彼女のララは2作品とも観ているので、イメージが固定化されている。
このトゥームレイダーは、元々ゲームが原作らしい。アンジェリーナ・ジョリーの時代にも古いタイプのゲームがあって、トレジャハンターとしてのキャラで映画化されていた。
同じくこのリブート作品も、先にリブートされたゲームがあった。それを新たに映画化したものらしい。だから主人公のララ・クラフトに関して、やや設定や状況がちがってくる。映画を見始めてそのイメージをアップデートするのにマジで苦労した。
この作品のララ・クラフトはバイク便で稼いでいる貧乏な女性。本当は父の多額の遺産と会社を引き継ぐ権利を有しているけれど、書類にサインすることは行方不明の父の死を認めることになる。それで必死になって貧乏暮らしに耐えていた。
ただし格闘技はやっていて、それなりに強い。さらに幼いころから、写真の弓矢は訓練している。この手の前提がないと、アクション映画にならないものねwww
ストーリーは至ってシンプル。父は日本の卑弥呼の謎を探るため、無人島に渡って行方不明になっていた。卑弥呼が持つ秘密を手にすることで、世界を支配できる。悪党にその秘密を知られることを恐れ、父は卑弥呼の墓を守るために命をかけた。
ララは父の隠していた資料を手にすることで無人島に向かう。そこで生きていた父と7年ぶりに再会して、悪党の野望を砕くという内容。まだ新しい映画なので、ネタバレはこの程度にしておこう。
昔のトゥームレイダーを知っている人には、この映画は物足りないかもしれない。どちらかといえばこの映画のララは普通に強い女性という印象。スーパーウーマン的なキャラじゃない。悪役の存在も曖昧で、このまま続編を続けられるのか心配してしまうレベルだった。
ただ、ララを演じたアリシア・ヴィキャンデルという女優さんはめちゃ良かった。彼女の演技でどうにかもっている作品だと思う。アンジェリーナ・ジョリーのような色気はないけれど、とても好感の持てるララ・クラフトだった。できることなら無事に続編が公開されるといいね。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする