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高羽そらさんインタビュー

座敷童の正体に涙した

毎日4冊の本を並行して読んでいるので、ボクの頭は常にとっ散らかっているwww

 

そんな頭の整理も兼ねて、ブログに読書メモを残している。昨日は一気に二つの小説を読了した。

 

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2021年 読書#32

『最後は臼が笑う』森絵都 著という短編小説。電子書籍だけれど、短いのであっという間に読んでしまった物語。だけどクスッと最後に笑ってしまう楽しい作品だった。

 

『私』という女性が語り手で、主に登場するのは桜子という友人。男運が悪く、いわゆる『ワル』の男に惹かれてしまう、悪い奴だと感じるとモーションをかけずにいられない。それで苦労するんだけれど、ある日桜子が最強に悪い男と出会ったと、『私』を含めた友人たちに告白する。

 

アラサー世代の女性たちにとって、その男のやっていることは無性に腹が立つ。それで友人たちでその男を懲らしめようと計画をする。ところがいざ実行しようとするとき、想定外の邪魔が入る。それが中年の厚かましい女性で、その女性によってその男性は懲らしめられるというオチ。

 

二つ目の作品は直木賞候補となった作品。これがしょっぱなから物語の世界に引き込まれてしまう、とても素晴らしい小説だった。

 

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2021年 読書#33

『銀花の蔵』遠田潤子 という小説。主人公の銀花はボクとほぼ同じ世代。奈良の樫原が舞台で、銀花が小学生のころに大阪で万博があり、三十代のころに阪神淡路大震災を経験している。それだけに時代の流れがリアルに実感できる作品だった。

 

銀花は両親と3人暮らしだった。父親は売れない画家で、母親は専業主婦だけれど万引き癖がある。ある日、父の実家で祖父が亡くなったことで、銀花の家族は大阪から奈良へと引っ越す。なぜなら実家の商売は醤油を作ることで、その蔵を守っていくため。

 

新しい小説なのでネタバレはしない。とにかく構成が素晴らしい。いきなり現在のシーンで始まり、銀花には双子の孫がいる。古くなった醤油蔵を潰して立て替えることになった。その蔵には座敷童が住んでいると言い伝えられていて、この家を継いて当主となる人間にだけに見えるらしい。

 

銀花は自分の父が見ることのなかった座敷童を、小学生のときに目撃している。そんな蔵を解体して地面を掘ったとき、恐ろしいものが出てくる。それは座敷童のような装束の子供の遺体だった。おそらく100年ほど経過している。

 

この物語はその座敷童の正体に迫っていく。銀花は母の連れ子で、父とは血縁がない。そんな銀貨を後継ぎとして認めたのは、血縁のない父の母親。さらに銀花は殺人の前科がある男性と結婚をして、結果として血縁のない子供を育てることになる。そんなすべてに、座敷童が関わってくる。

 

ラスト近くになって、座敷童の秘密が明かされる。銀花が見たのは遺体として発見された子供ではなかった。彼女が見た座敷童は、まったく別の存在だった。その真実を知ったとき、ボクは涙が止まらなかった。

 

本当に素敵な小説。直木賞を受賞して欲しかったと思う。家族というのは血縁じゃなく、人生を共に生きる同志なんだろう。そのことを強く感じさせてくれる素晴らしい物語だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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