最終作が最高作だった
とても長かったけれど、最高に楽しい旅が終わってしまった。寂しいけれど仕方ない。でも素晴らしいエンディングだった。
2021年 読書#47
『トワイライト13 永遠に抱かれて』ステフファニー・メイヤー著という小説。全部で13部ある『トワイライト』シリーズの最数巻を読了。このシリーズはずっと以前に最初の数冊を読んで、映画を2本ほど観ただけ。だから物語の全体を把握していなかった。
たまたま『トワイライト』シリーズの二次創作小説を読み、さらに映画を観て面白かったので、元となったこの物語をきちんと追いかけることにした。そしてついに結末を迎えてしまった。
前作で人間から吸血鬼となったベラ。超人的な能力を身につけつつも、強烈な自制心によって人間を襲うことを回避。そして人間と吸血鬼のハーフである娘のレネズミも腕に抱くことができた。人狼であるジェイコブたちとの新しい協定も再成立して、すでにハッピーエンドの雰囲気。
ところがたまたまイリーナという吸血鬼にレネズミを見られたことで、『不滅の子』として世界の吸血鬼を仕切っているイタリアのヴォルトゥーリー一族に密告されてしまう。その一族のドンであるアロは、ベラの家族であるカレン家を滅亡させるために動き出した。ここまでが前作。
『不滅の子』というのは、人間の赤ちゃんとして生まれて吸血鬼となった子供。だから自制できずに人間を襲ってしまう。だから吸血鬼の世界では『不滅の子』は殺すことが掟となっていた。
だけどレネズミは『不滅の子』ではなく、吸血鬼と人間のハーフとして生まれた。だから特殊な能力を持っているけれど、危険な存在ではない。そのことを理解してもらおうと、ベラと夫のエドワード、そしてカレン家の一族が世界中の吸血鬼仲間に証人となってもらおうとする。
一度でもレネズミを見た吸血鬼は、その愛らしさに魅了されてしまう。さらに自分の想いを触れるだけで伝える彼女の能力によって、証人となる吸血鬼は増える一方だった。だけどアロの目的はカレン一家を滅ぼすこと。だからレネズミが『不滅の子』でなくても関係ない。攻撃する理由が欲しいだけ。
ということでこの最終巻の後半は、カレン一家と彼らの証人となる吸血鬼。そしてカレン一家を滅ぼそうとするヴォルトゥーリー一族との対決になる。もし普通に戦えばベラたちに勝ち目はない。一方的に惨殺されるのは目に見えていた。
ところがベラが想定外の能力を持っていることがわかる。吸血鬼となった彼女は『盾』となることができた。攻めることはできないけれど、敵の攻撃から仲間を守るシールドを張ることができる。この能力が明らかとなったことで、一気に形勢が逆転する。
簡単に書けばこういうことなんだけれど、中盤から後半にかけての攻防は本当にハラハラドキドで面白かった。これまで12作を過去に読んできたけれど、この最終作が最高作だった。もちろんハッピーエンドで終わる。死んだのはベラたちを密告したイリーナという吸血鬼だけ。
第1作の伏線が、なんとこの第13作で回収されるなんて。エドワードは人間でも吸血鬼でも、相手の心を読める能力を持っている。だけどベラだけにはその能力が効かない。エドワードがたった一人心を読めないのが、将来に妻となるベラだけだった。
つまり人間のころから、ベラは『盾』となる潜在能力を有していたということ。その能力が最後の最後で生きるとは。こうなったらやっぱり映画をすべて観たくなってきた。あ〜あ、サブスクで配信してくれないかなぁ。
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