十二国記の世界観が見えてきた
ファンタジーは独自の世界観や決まりごとがあるので、それを理解するまでに時間がかかる。だけど構成や仕組みが理解できると、一気にその物語の世界へ没入してしまえる。
2作目(上下巻の構成なので文庫としては3冊目)にして、十二国記の世界観が見えてきた。つまりハマってしまったということwww
2021年 読書#55
『風の海 迷宮の岸 十二国記』上巻 小野不由美 著という小説。時系列が前後する物語なので、ファンサイトによると読む順番が大切とのこと。そこでそのアドバイスに従って、『月の影 影の海』という作品を最初に読んだ。
女子高生の中嶋陽子が主人公で、いきなり異世界に連れ去られてしまう。景麒(ケイキ)という人物が現れ、陽子が慶国の女王だと告げる。陽子が女王として君臨するまでの冒険が最初の物語だった。とっつきにくかったけれど、最後まで読むことでようやくこの世界の仕組みを知ることができた。
だからこの第2弾については、すんなりと入ることができた。だけど時系列は逆になっていて、前作の5年前の物語となっている。景麒はまだ前の王に仕えていて、陽子と出会っていない時期。
この物語を理解するうえで、最低限知っておくべきことをまとめておこう。名前のとおりこの世界には十二の国がある。その中央には神の世界が存在する。
各国に王がいるけれども、その王を選ぶのは民主主義じゃない。それぞれの国に麒麟と呼ばれる人間にも獣にもなれる存在がいて、その国を担当する麒麟が王を選ぶ。麒麟は自分が選んだ王に使えることで、その国の政治を補佐していく。先ほどの景麒は慶国の麒麟なので景麒と呼ばれる。
この世界の生き物は果実となって生まれる。木に実がなってそこから誕生する。だから麒麟も人間も、果実のような卵から生まれる。ところがまれに『蝕』という現象が起き、十二国記の果実が蓬莱と呼ばれているボクたちの暮らす世界に流されてしまうことがある。
そうなると果実では生まれることができず、人間の母親から生まれる。それを『胎果』と呼ぶ。前作の中嶋陽子はその胎果だったという設定。そして今回の物語は麒麟が胎果となってしまう。
主人公は泰麒(タイキ)という麒麟。戴国を担当する麒麟なのでそう呼ぶ。泰麒は果実として生まれ落ちる前に蓬莱へ飛ばされ、人間の子供として育った。そして10歳になったときに見つけられて、十二国記の世界へ連れ戻される。
だけど人間としての記憶があるので、なかなか麒麟らしくなれない。やがて戴国の人間たちが、自分を王に選んでもらおうとして押しかけてくる。女怪という乳母のような不思議な生き物と、女仙という女性たちは泰麒の指導係として、前回の物語で登場した景麒を指名する。
景麒の指導を受けた泰麒が、麒麟としての自分の能力に不安を抱えつつ、王の候補者たちとの面会を始める部分で上巻が終わる。人間の子供だったときのトラウマやホームシックにより、まだ麒麟としての能力を開花できない泰麒。さて、下巻はどうなっていくのか。
十二国記の長い旅が始まったばかりだけれど、この世界にどっぷりとハマっていけることにワクワクしている。
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