十二国記世界の基礎編だね
1ヶ月ほど歯茎の不調に悩まされたけれど、歯科医に行くことなしに症状は改善。普通に食事もできるようになってホッとした。
しかしその反動なのか、ここ2〜3年悪化を防いでいたギックリ腰に悩まされている。数日前に急に痛み出したけれど、昨日くらいにはどうにか日常生活に支障のない状態までもってきた。
ところが今朝のこと。ミューナをブラッシングのために抱き上げようとしたとき、変な方向に腰をひねったらしい。痛みにうめいたときはすでに遅し。先日までは右寄りの部分を痛めていたけれど、今度は左寄りの部分を痛めてしまった。
一歩進んで四歩下がった気分。どの体勢をとれば楽になるかさえチェックできないほどの状態。いまは開き直ってブログを書いているけれど、数分に一回はうめき声をあげているwww
こんなときはファンタジーの世界に逃げたくなる。手元にこの本があってよかった。
2021年 読書#58
『風の海 迷宮の岸 十二国記』下巻 小野不由美 著という小説。上巻の感想については『十二国記の世界が見えてきた』という記事に書いているので参照を。
物語の主人公は泰麒(タイキ)という麒麟。麒麟は人間の姿をしている神獣で、自分が所属する国の王を決める存在。そして王を指名したら、その王に使えて国政を支えることになる。
ただ泰麒はこの世界で生まれる直前に、蓬莱というボクたちが暮らす世界に流されてしまった。そこで普通の人間の子供として生まれ、10歳になってこの世界へ連れ戻されている。人間時代に祖母から厳しい仕打ちを受けたことで、いわゆる自己肯定感が極端に低い子供だった
子供の姿のまま麒麟に変身できないし、王を選べるかどうかの自信もない。この前の作品で女子高生を王として選んだ慶国の景麒(ケイキ)という麒麟が指導係引き受けてくれたがうまくいかない。そこで上巻が終わった。
そして下巻はいよいよ王の選別が始まる。戴国の有志が集まり泰麒に謁見する。でも彼は天啓を感じない。ところが驍宗(ギョウシュウ)という若い将軍に出会い、彼を恐れながらもどこか惹かれる。
そして彼と関わったことで泰麒はついに麒麟の能力を開花させる。このあたりはスリルがあって、物語のクライマックスのひとつでもあった。だがどうしても天啓を感じない泰麒は驍宗との別れの日を迎える。
だけど彼と離れたくない泰麒は、驍宗に忠誠を誓って王として選んでしまう。天啓がないのに王を選んでしまったことで罪悪感を覚え、戴国に赴任してからもそのことで苦しむことになる。
そんな泰麒を救ってくれたのは、指導係だった麒麟の景麒、前作で高校生の陽子を助けて大活躍した延国の延王、そして延国の麒麟である延麒だった。そこで天啓の本当の意味を教えられる。
麒麟は神獣であり、本当の王以外には絶対に忠誠を誓えない。つまり王を選ぶに際しては直感しかない。だけど神が認めた王でなければ、麒麟は絶対に忠誠を誓うことができないというオチ。だから泰麒は正しい王を選んでいたということ。
特に大きな事件もなく、麒麟が王を選ぶ仕組みを解説した物語。そういう意味では、十二国記世界の決まり事を紹介した基礎編のような物語だった。ただしこの決まり事を知れば知るほど、この世界にハマっていく。
ボクも早く次の物語が読みたくて、腰の痛みに耐えながらも再びこの世界に飛び込める日を心待ちにしている。しかしマジで痛いなぁwww
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