姿を見せた敵は最強だった
トム・クルーズが主演したことで知られている『ジャック・リーチャー』シリーズがドラマ化される。Amazonでの配信が決まっていて、それもシリーズ化される予定とのこと。
原作のジャックは映画とキャラが少しちがうので、原作のファンとしてはドラマの配信が待ち遠しいだろう。ボクもその一人で、映画をきっかけに原作を追いかけている。そして原作のジャックにすっかり惚れ込んでしまった。
少し間が開いたけれど、『ジャック・リーチャー』シリーズの下巻を読み終えた。
2021年 読書#70
『葬られた勲章』下巻 リー・チャイルド著という本。上巻の感想については、『敵が見えない気持ち悪さ』という記事に書いているので参照を。
日本における『ジャック・リーチャー』シリーズの出版は変則的。昨年まで25作品が出版されているけれど、邦訳されているのは11作のみ。この作品は原作としては13作目になるけれど、邦訳本としては2020年に出版されている最新作。つまり未翻訳作品がさかのぼって出版されていく可能性があるということだろう。
この作品はアメリカにおいて映画化された『アウトロー』と並ぶ人気作だったとのこと。それはわかる。上巻では記事のタイトルに書いたように、敵の姿が見えない状態だった。ところが下巻になって姿を見せた敵は最強だった。
深夜のニューヨークの地下鉄にジャックは乗車していた。同じ車両にいたスーザンという女性が自爆テロをするサインを出していた。そこで問い詰めようとしたとき、彼女がいきなり銃を出して自殺した。これが事件の始まり。
スーザンは国防総省に勤務していた女性で、結論からいえばある人物に脅されて極秘情報を盗み出していた。それは1枚の写真だったと下巻ではわかる。その写真に写っているのはジョン・サンソムという下院議員。ジャックと同じ元陸軍の兵士だった。その兵士時代に撮影した写真。
ジャックはスーザンの自殺の理由を明らかにするため、スーザンから何かを受け取ったと嘘をついた。最初に接触してきたのはライラ・ホスという若い女性。母親と一緒にウクライナからアメリカにやってきた。彼女の父の仇がサンソムで、その証拠をスーザンに依頼していたとのこと。
ジャックはそれを受けてサンソムに接触するが、やがてライラが嘘をついていることに気づく。上巻の終わりではライラが依頼した複数の私立探偵が殺害される事件が起き、ジャックはFBIによって拘束されてしまう。スーザンが持っていたデータをめぐって、両陣営がジャックから情報を得ようとしていたから。
という少し複雑な前提。下巻になって真相が明らかにされていくけれど、その詳細を語るスペースはないので結論だけ紹介しておこう。その写真はアルカイダのウサーマ・ビン・ラディンとジョン・サンソムが仲良く写っているものだった。
アメリカ政府としてはその写真が公開されることを避けたい。サンソム自身も選挙結果に影響を与えるから隠したい。だけどそれ以上にその写真を求めている集団がいた。それはライラ・ホスと仲間たちで、彼女はアルカイダが送り込んできたテロリストだった。
写真にはアメリカ政府だけでなく、アルカイダにとってもまずいものが写っているらしい。だからどうしてもこの世から抹殺しなければならない。それでスーザンからデータを受け取ったと疑われているジャックが狙われたということ。
最終的にジャックがテロリストたちを皆殺しにする。結果だけでいえばそうなるけれど、ボクがこれまで読んだ原作で最強の敵だったのはまちがいない。特に若くて美人の女性なのに、ライラ・ホスという人物は完全な異常者。その恐ろしさはブログで書けないほど怖いwww
ということでまたまた次の原作を読むとしよう。そしてドラマの配信開始を、首を長くして待つとするか。
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