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高羽そらさんインタビュー

過去最悪の巻き込まれ

つい『男はつらいよ』と比較してしまう、アメリカのシリーズ小説がある。それは『ジャック・リーチャー』シリーズ。

 

車寅次郎とジャック・リーチャーには共通点が多い。まずは定住地を持たずに放浪しているということ。そして旅先でマドンナと出会って別れてしまうこと。

 

もちろん内容はまったくちがう。寅さんが殺人事件に巻き込まれることはない。一方ジャックは、常に命の危機に遭遇してしまう。ただパターン化している作品における共通の悩みとして、物語のスタートをどうするかというものがある。

 

寅さんなら美しい女性との出会いで完了。だけどジャックはそうもいかない。どうしても事件に巻き込まれなくてはいけない。これまでは、たまたま訪れた街で事件が起きたり、乗り合わせたバスが事故に遭ったりという設定があった。

 

映画化された『アウトロー』のように、殺人容疑者に弁護人として名指しされたというパターンもある。とにかく普通に旅をして過ごしているだけなのに、不思議と事件に巻き込まれてしまう。今回読んだ作品は、そんな巻き込まれでも最悪のものだった。

 

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2021年 読書#94

『最重要容疑者』上巻 リー・チャイルド著という小説。アメリカで25作品が出版されている『ジャック・リーチャー』シリーズの17作目。だけど邦訳されているのは一部なので、日本語では9作目となる。

 

この前の邦訳作品である『61時間』の終わり方が謎。ジャックが生きているか死んでいるのかわからない。次の作品は邦訳されていないので、その後の顛末がどのように書かれているのか不明。『61時間』から3作目になるけれど、とにかくジャックは元気だった。

 

今回のジャックはバージニア州に向かっていた。目的はわかる。彼が所属していた部署の後継者である、スーザン・ターナー少佐という女性に会いに行くため。『61時間』のときに情報をもらうために連絡を取り合い、顔を見ていないのに二人は恋愛のような雰囲気になっていた。

 

そのとき事件が片付いたら会いに行く、とジャックがいっていた。だからバージニアに向かっていたのだろう。この『最重要容疑者』の次の作品が『ネバー・ゴー・バック』という映画化された作品。トム・クルーズ演じるジャックが、そのスーザンを助けるという物語。つまりそこへ繋がる一歩手前の作品。

 

さて最悪の巻き込まれとは? ジャックは珍しくバスに乗っていない。バスが少ない街で降りてしまったため、ヒッチハイクをするしかなかった。

 

そして苦労してヒッチハイクに成功して乗車したのは、なんと殺人犯の車だったという巻き込まれ方。最悪すぎて思わず笑ってしまったwww

 

車に乗っていたのは男性二人と女性一人。殺人者は男性二人で、女性は車の持ち主であり、逃走するための人質だった。ただ厄介なのは、普通の殺人じゃないということ。殺されたのはCIAの工作員で、国務省だけでなくFBIのテロ対策班まで動いている。

 

ジャックは途中でこの二人が何かをやったと気づいた。だけど人質の女性を救うことができなかった。どうにか二人から逃げたジャックは、その女性の復讐のために犯人を見つけようとする。そんなジャックに協力するのがFBI捜査官のジュリアという女性。そう、今回のマドンナだよね!

 

ということで上巻はジャックとジュリアが犯人たちを追いかけていく場面で終わる。ただ背後に黒幕がいるのは確実で、殺人事件の真相はまだ明かされていない。相変わらずリー・チャイルドは秘密主義だよなぁwww

 

さて、近いうちに下巻を読んでこの物語の結末を見届けよう。そして『ネバー・ゴー・バック』の原作を読んで、ジャックとスーザンの恋の行方を確認するとしよう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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