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高羽そらさんインタビュー

生き方で国を選べたらいいね

ノーベル賞発表の時期になったことで、今年も夕方になると速報が入る。今年のノーベル物理学賞には、米国プリンストン大の上席研究員で、気象学者の真鍋淑郎さんが選ばれた。

 

日本人ということですぐに速報が出た。たしかに日本人ではあるけれど、真鍋さんの場合は『日本人だった』という過去形。すでにアメリカ国籍を取得されているとのこと。

 

この時期になると、いつものように日本の頭脳流出が問題視される。だけどその意見は、視野の狭い非グローバルな発想だと思う。

 

なぜ真鍋さんはアメリカ国籍を取得したのか。その理由を知ることで、日本の頭脳流出という問題提起がダサく感じてしまった。

 

真鍋淑郎さんは、なぜ米国籍にしたのか。「日本の人々は、いつも他人を気にしている」

 

ノーベル物理学賞の受賞が決まり、インタビューに答えられた内容をまとめたもの。国籍取得に関する部分だけを抜粋してみよう。なかなかユニークで面白い。

 

「日本の人々は、非常に調和を重んじる関係性を築きます。お互いが良い関係を維持するためにこれが重要です。他人を気にして、他人を邪魔するようなことは一切やりません」

 

「だから、日本人に質問をした時、『はい』または『いいえ』という答えが返ってきますよね。しかし、日本人が『はい』と言うとき、必ずしも『はい』を意味するわけではないのです。実は『いいえ』を意味している場合がある。なぜなら、他の人を傷つけたくないからです。とにかく、他人の気に障るようなことをしたくないのです」

 

「アメリカでは、他人の気持ちを気にする必要がありません。私も他人の気持ちを傷つけたくはありませんが、私は他の人のことを気にすることが得意ではない。アメリカでの暮らしは素晴らしいと思っています。おそらく、私のような研究者にとっては。好きな研究を何でもできるからです」

 

「私はまわりと協調して生きることができない。それが日本に帰りたくない理由の一つです」

 

とても率直な発言。アメリカ国籍を取得した理由に関して、日本のことをディスっておられない。むしろ日本固有の文化を認めておられる。そのうえで、自分には合わないということを明言されているだけ。そしてアメリカをことさら持ち上げているわけでもない。とてもフェアな発言で好感を持った。

 

真鍋さんにとって、アメリカの環境が向いていた。簡潔にいえばそれだけのこと。そこには日本頭脳の流出なんて雑音が入り込む余地がない。

 

世界で活躍している日本人は多い。特にスポーツ選手がそう。それは自分の環境としてもっとも適した国を選んだ結果だろう。野球ならアメリカだし、サッカーならヨーロッパということになる。もちろん日本にいても活動はできる。それもその人の考え、つまり自分に合っているかどうかだと思う。

 

ネットと交通機関の発達によって、世界は確実に狭くなっている。だけど現実問題として国境の壁は厚く、民族やイデオロギーの確執は戦争や暴動という暴力を引き寄せている。

 

だから夢を叶えるために適した環境を選ぼうとしても、国境に阻まれることが多い。政治状況や経済的事情によっては、自分の国を出ることさえままならない場合もあるはず。自分の夢のために適した国を選べるのは、ほんのひと握りの人にしか与えられていないのが現状。

 

せっかく世界が近くになっているのに、こんな寂しいことはない。どんな国にも誇れるものがあるはず。だから若い人たちが、自分の生き方に合致した国へ自由に移動することで、夢を叶えることができたらいいのになぁと思う。いつかそんな時代が来てほしい、と本気で願っている。

 

でも日本の頭脳流出を嘆いているだけでは、絶対にそんな世界はやってこない。真鍋さんのインタビューを読んでそう感じた。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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