さすがの本屋大賞作品!
今朝に引き続きブログサイトにパソコンでログインできないので、スマートフォンにてブログを更新中。もう慣れているのであまり気にならないけれどね。
スマートフォンで更新といっても、フリック入力ではあまり早く文章を打てない。だからパソコンのメモに文章を入力して、同期しているiPhoneのメモをブログサイトにコピペしている。この方法を使うようになってから、パソコンでログインできなくてもブログをアップできるようになった。まぁ、ちょっと面倒だけれどね。
さて、今年一番かもという小説を紹介しよう。まぁボクにすれば、そのとき読んでいる小説が常に一番なんけれどwww
2021年の本屋大賞を受賞した作品。ボクは直木賞や芥川賞より、本屋大賞のほうが圧倒的に好き。なぜなら本を売っている書店員さんたちの投票によって選ばれた作品だから。この作品もその予想どおり、ボクの魂を感動で震わせてくれる素晴らしい作品だった。
2021年 読書#99
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ 著という小説。タイトルだけで見ていると、クジラの生態が書かれた作品のように感じる。まったくそんなことはないんだけれど、この小説を読むとタイトルの素晴らしさがわかる。
52ヘルツのクジラとは?
他の鯨から聞き取れない高い周波数で鳴き、懸命に歌っても仲間に気づかれないため「世界でもっとも孤独なクジラ」といわれている。それが52ヘルツのクジラ。
この小説は児童虐待をテーマにした作品。そう書けば、このタイトルの意味がわかるはず。SOSの声が届かない子供たちの悲しみと孤独を、このクジラが象徴している。
新しい小説なのでこれから読む人もいるだろう。だからネタバレはしない。物語のポイントだけ書いておこう。
主人公の貴湖は26歳の女性。母子家庭だったけれど、母の再婚によって弟が生まれた。だけど義父は息子だけを可愛がり、母親も再婚によって豹変する、いわゆる『毒親』であって、貴湖は実母から強烈なネグレクトを受ける。
高校を卒業して寮のある会社に就職が決まった。ところが義父の病気によって、母親から介護をさせられる。それで就職を諦め、ひたすら自宅で24時間かけて義父を介護することになった。
最終的には母親の虐待によって、自殺するところまで追い詰められる。そんな彼女を救ってくれたのはアンさんという男性。高校時代の親友である美晴の同僚で、アンさんによってようやく自宅を脱出することに成功する。
そんな貴湖は、東京を離れて大分の田舎で一人暮らしをしている場面で物語が始まる。なぜ彼女は大分で一人暮らしをしているのか? さらにある男性に包丁で刺されたということもわかる。自宅を脱出したはずの彼女に何があったのか?
そして彼女は大分の田舎で、ある少年と出会う。やはり親から虐待を受けている子。自分と同じ境遇の少年を見て、貴湖はこの子を救おうと必死になる。それはアンさんが自分にしてくれたことのお返し。だけど誘拐犯の汚名を着せられてしまう。さて、どうする貴湖?
さらにアンさんはすでにこの世にいないこともわかる。いったい彼に何があったのか? そしてラスト近くでアンさんの真の姿が明らかになる。
これらの謎が解明されていくなかで、貴湖と少年、さらに親友の美晴との心温かくなる人間関係が描かれていく。ボクは何度本気で怒り、何度本気で泣いたことか。そしてラストでは心のなかがポカポカになった。
さすがの本屋大賞。絶対に読んで損はないから、ぜひこの本を手にしてこれらの謎に光を当てて欲しい。
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