進化とは他人に頼ること
ボクのように孤独が好きな人間でも、無人島で一人暮らしをするのは無理。農産物を作ってくれる人や、パソコンを販売してくれる企業があるから生きていける。都会における孤独というのは、他者に依存することで成り立っている。
ネコ科の野生動物のように、単独で狩りをする生き物に依存心は禁物。生活に必要なスキルをすべて身につけなければ、生き伸びて子孫を残すことができない。それが無理なら、我が家のミューナのように人間と共に暮らすしかない。
生物の種を守るということに注目すれば、分業制のほうが効率的。他人と協力してそれぞれの得意分野を生かせばいい。つまり生物の進化とは、他人に頼ることを受容していくことなのかもしれない。その考えが正しいのは、人間の脳の研究によって裏付けられつつある。
ヒトの脳は「文字の出現」で3000年前から縮小している可能性がある
動物は進化すると、脳が大きくなっていく。もちろん身体の大きさに対応してという意味で。リンク先の記事は、人間の脳の大きさが進化に関わっていることを解説したもの。
人類は約600万年前に他の霊長類から分離したとき、脳の大きさが4倍になった。これは知能の発達と脳の大きさに正の相関関係があるということ。ところが1万年ほど前から人類の脳は小さくなりつるある。正確には3000年前から縮小しているとのこと。
アメリカのボストン大学の研究チームが調べたところ、人間の社会生活が脳の縮小に影響したとの仮説が提出された。その研究の元になったのがアリの脳の研究だった。アリは人間とよく似た社会構造を持っている。
分業制を発達させたアリの種類ほど、脳が小さくなっていることがわかった。知能の進化にはある程度の脳の大きさは必要。だけどアリ一匹の能力には限界がある。そこで社会生活を発達させることで個の負担を減らした。その改革に成功したアリは脳が小さくでも問題ない。自分ですべてをやらなくていいから。
どうやらこれと同じことが人間にも起きているらしい。ということは3000年前に人間に大きな変化が起きたことになる。
その変化とは『文字の出現』だった。
文字が発明されたことで、人間の知識を体系的に残せるようになった。一人の人間がすべてを記憶している必要がない。それゆえ脳の効率化に成功。より小さな脳でそれ以前よりも効率的な処理が可能となった。
20年前のパソコンはやたらデカかった。だけど最近のパソコンはペラペラの薄さなのに、以前よりはるかに高い能力を有している。人間の脳にもこれと同じようなことが起きていると推測されている。
狩猟民族だった過去の人類は、生きていくうえで頭蓋骨内の脳は肥大化しすぎないほうがよかったはず。頭が重いと動きにくいものね。だから文字の出現によって脳を効率化することで、物理的な大きさを縮小するような進化を選択したのだろう。
それが現代社会まで続いている。人間は社会のすべてを理解しなくても、それなりに生きていけるようになった。ある意味、脳の効率化が完成に近づいているということだろう。だとすると未来の人類の脳はどうなっていくのだろう?
過去の人類のように物理的に大きくなることに問題はなさそう。だったら効率の高さをキープしたままで、さらに高度な処理ができるよう脳が大型化するかもしれない。もしかしたら1000年ぐらい先の人類は、頭蓋骨が肥大した状態が普通になっているかも。
未来のファッション誌では、頭の異様なほどでかい人たちが美男美女と呼ばれているのかもしれないな〜www
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