タクシーの個性はいらない
１年前に愛猫のミューナが慢性腎不全を発症したことで、タクシーを利用する機会が増えた。自家用車を手放しているので、彼の通院にはタクシーを利用するしかない。それで使うようになったのがタクシーの配車アプリ。
どこにいてもほぼ５分以内に配車してもらえる。行き先も指定できるし、アプリ決済を利用すれば現金も必要ない。当初はこんな便利なものはないと喜んでいた。ところが使っているうちに、ちょっとした不満を覚えるようになった。
それは配車されるタクシーの差異。はっきり言えば、運転手さんのスキルレベルのちがい。
わかりやすいのは運転スキルの差。少しくらい時間がかかっても、慎重に運転してもらえるほうがいい。ただでさえ外に連れ出されて怯えている猫を抱えている。それなのに猛スピードで突っ走ったり、やたら急ブレーキを踏むような運転手さんにあたるとタクシーを乗り換えたくなる。
必要のない無駄話をする運転手さんも苦手。猫の病気の様子を訊いてきたり、他の乗客の悪口を言い出すような人もいる。最悪だったのは、トロトロ走っている前方の自動車に暴言を吐き続けていた運転手。腹は立つけれど、愛想の悪い運転手さんのほうがまだマシ。
そして最悪なのが、カーナビ等のIT機器を使えない運転手さん。獣医さんの玄関でタクシーを待っていると、配車されていたナンバーのタクシーが前方を通過。それから迷ったように周囲を走り回って、10分近く遅刻してようやく到着。こちらはアプリで移動の軌跡を確認しているから、運転手さんがカーナビを使えないのがすぐにわかった。
あるいは配車確認が出たと同時に、迎えに行く場所がわからないと電話がかかってきたこともある。乗車してから事情を尋ねると、どうやらカーナビが苦手らしい。そんな運転手さんの場合、行き先を登録していても意味がない。結局、口頭で説明しないと目的地に到着しない。
もちろん完璧な運転手さんも多い。必要最低限の会話だけで、一切の説明なしに目的地までスムーズに運んでもらえる。ただボクが使っている配車アプリの場合、配車されたタクシーによるちがいが極端だということ。だけど、それを解消する方法がある。
日本が世界から取り残されていることを実感する記事。中国では昨年の10月から自動運転のタクシーが試験運転を続けていた。ほぼ１年をかけて２万人以上の利用結果を判断した結果、ついに料金を取って営業することが承認された。中国の技術進化のスピードに唖然となってしまう。
自動運転とはいえ、いまのところはスタッフの同乗が義務付けられている。それでも料金をとって運営できる段階までのレベルに達しているということ。このタクシー会社は、２年以内に完全自動運転のタクシーを走らせる予定。
自動運転のタクシーなら、ボクの感じている不満のほとんどは解消できそう。少なくともドライバーによるちがいを感じることはないだろう。裏道の利用といった臨機応変な対応は無理かもしれないけれど、目的地まで安全で安定した運転で運んでもらえると思う。ボクはそれで十分。
いずれ日本もそうなるだろうけれど、かなり時間がかかりそう。それまでは利用するボクたちが、タクシーの個性に対応するしかないんだろうなぁ。
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