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高羽そらさんインタビュー

初めて想いを伝えた少女に涙した

ボクが4歳が5歳くらいのころ、いまでもリアルに覚えている出来事がある。それはボクに向けた母の質問。

 

「お母さんと一緒にどこかへ行く? それともお父さんと一緒がいい?」

 

というような内容だった。正確な言葉では覚えていない。とにかく両親のどちらを選ぶかという、幼児には答えられない質問だった。一人で生きていけないんだから、どちらかに頼るしかない。だけど虐待のような暴力を受けていない状況で、両親のどちらかを選ぶなんてことができるわけがない。

 

結局それから数年後、母は黙って家を出た。それ以来半世紀以上が経過したけれど、母がどこでどうしているのかわからない。子供にすれば見捨てられたという悲しみと、自分が悪かったから母が出て行ったという罪悪感しか残らない。

 

ある映画を観て、そんな子供のころの自分を思い出した。

 

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2021年 映画#180

『メイジーの瞳』(原題:What Maisie Knew)という2012年のアメリカ映画。なんとなくで選んだ作品だけれど、こんなに素晴らしい映画だと思わなかった。とにかく主人公のメイジーが愛らしく、美しい心を持っている姿に感動の涙でいっぱいになった。

 

写真の中央にいるのがメイジー。彼女の左右にいるのは両親じゃない。女性はマーゴという元家政婦で、離婚したメイジーの父親と再婚する。男性はリンカーンというバーテンダーで、彼も離婚したメイジーの母の再婚相手。この複雑な状況は、映画を観なければわからなだろうねwww

 

メイジーの父親はイギリス出身のビジネスマン。出張が多く、ニューヨークの自宅に戻ることが少ない。メイジーの母親は女性ロッカーで、ツアーがあると全米を移動することになる。そんな二人が離婚してしまった。

 

ちなみにメイジーの母親のスザンナをジュリアン・ムーアが演じている。普段の彼女とちがって、ファンキーな母親役が最高だった。だけど誰よりも娘を愛していることも伝わってくる。もちろん父親も娘を溺愛していた。だけど夫婦はいつもいがみあい、喧嘩ばかりした結果離婚した。

 

ということでメイジーの両親はそれぞれに再婚した。その真意としては、娘のメイジーの面倒を見てほしいから。そんな再婚がうまく行くわけない。メイジーは大人の都合に振り回され、リンカーンに預けられたり、マーゴに預けられたりと、たらい回しにされてしまう。

 

だけどメイジーは文句を言わない。それどころか父も母も、そしてリンカーンもマーゴも愛した。この少女の美しい心に感動する。可愛くてたまらない。いつも我慢して、自分の気持ちを言わない。大人に指示された通りに従う。

 

やがてあまりに自分勝手な父親にマーゴがキレ、すぐに癇癪を起こす母親にリンカーンが耐えられなくなる。そして不思議なことに、メイジーの世話を通じてマーゴとリンカーンは互いに惹かれていく。そしてある事件があったことで、二人はメイジーを連れ出して秘密の場所で暮らし始める。

 

そしてラストシーン。メイジーの居場所を見つけた母親のスザンナがやってくる。娘を取り返そうとしてツアーバスに乗せようとする。だけどそのとき初めてメイジーは自分の想いを母に伝える。ママもパパも大好きだと。だけどリンカーンもマーゴも大好き。

 

だから今はここにいたい、と母に訴える。明日はボートに乗る約束をしている。だからどうしてもボートに乗りたい、と。その言葉を受けて、母のスザンナは娘を二人に託すというラスト。そしてエンディングは、3人でボートに乗るシーンとなる。

 

シンプルだれど、最高に素晴らしい映画だった。メイジーにとって悪人は登場しない。誰もがメイジーを愛している。ただ大人の事情でうまくいかないだけのこと。メイジーもそのことを理解しているのが、いじらしくて切ない。原作の小説があるので、もう一度メイジーに会おうと思っている。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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