異世界に癒着した心の行方
寒波は厳しいけれど、よく晴れた気持ちのいい2022年の元旦だった。1年ぶりに昼間からお酒を飲んだせいか、長めの昼寝で気がついたら夕方という慌ただしい年始だった。
そんな長い昼寝をしてしまったのは、お酒のせいだけじゃない気がする。昼寝前に今年1冊目の本を読了して、その世界に心が囚われていたせいかもしれない。ボクの心の一部がその世界と癒着していて、登場人物たちの行く末が気になって仕方ない。でも今の段階でその後の世界を知ることは不可能。
なぜなら1991年から世に送り出されたシリーズ作品を追いかけていたけれど、ついに出版済みの全作品を読み終えてしまったから。
2022年 読書#1
「十二国記 白銀の墟 玄の月」第四巻 小野不由美 著という小説。昨年の暮れから読み始め、今日の午前中に読了した今年1冊目の読了本。第三巻の感想は『陰謀の全貌が明らかに』という記事に書いているので参照を。
ずっと追いかけていた『十二国記』シリーズの最新刊。全四巻の最終巻を読了した。つまりいまの段階で出版されているこのシリーズに追いついてしまったということ。う〜ん、この後にこの世界がどうなったかを知ることができない。マジで辛い。
この作品は十二国あるうち、戴国における王座争いを描いた物語。この4作品を説明するだけでも膨大な内容で、かつ物語は他の作品とも関連しているので、とてもじゃないけれどブログで紹介するのは無理。それゆえ読書記録として雰囲気だけを書いておく。
正当な王がいたのに、ある裏切り者によってクーデターが起きた。ところが王は鉱山の奥深くに閉じ込められて、どうにか生きていた。再び本来の王の世界に戻すため、王の麾下だった兵士や、王を指名した麒麟という生物の戦いを描いた物語。
第三巻のラストで、王の存在が確認される。そして第四巻の初め、王は自力で鉱山から脱出する。それまで6年以上の月日が費やされた。そして王を探していた人物たちと王は合流する。一方、王宮に戻っていた麒麟も王の生存を知る。
ところが簒奪者は巧みな戦略で王たちを追い詰めた。当初は1万以上の兵を集めた王たちだけれど、陰謀に巻き込まれて数百人を残して惨殺された。そして王は捉えられてしまう。王を奪還しようとするのはわずか40人ほど。そして王宮にいる麒麟も、自らの死を覚悟で最後の行動に出る。
という感じで展開していく物語。ラスト近くにおける王たちの決死の戦いは、読み終えたいまでもまだ興奮が残っている。大勢の登場人物が悲惨な死を遂げるけれど、結果として王宮を取り戻すことに成功する。とりあえずはハッピーエンド。最後にはボクの大好きな隣国である雁国の王と麒麟が助けにくる。
壮大で心躍る物語だった。このシリーズで最高作なのはまちがいない。それにしても困った。
最初に書いたように、現在出版されている『十二国記シリーズ』はここまで。短編集が出るという発表が2020年に告知されているだけ。だから大好きな登場人物たちのその後を知ることができない。スケールの大きな物語だけに、数多くの魅力的な登場人物がいる。それぞれに辛い過去を背負っていて、必死になって前に進もうとしている。
そんな彼らの行く末を知りたい。なのに次の作品が出るまで何も知ることができない。ボクの心の一部はあの異世界と癒着しているから、心の持って行き場に困っている。お願いだから、これで終わりだなんて言わないでね、我慢して待っているからwww
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