人間の定義ってなんだろう?
年末の紅白歌合戦を含めて、ボクは年末年始の特番をほとんど観ない。だからレギュラーの番組がないこの1週間は、正直言ってつまらなかった。でも今日からNHKの『カムカムエブリデイ』が再開したし、次の日曜からは新しい大河ドラマも始まる。
そう思って通常営業に戻りつつあるテレビ番組を観ていると、NHKのBSで『ブレードランナー2049』を放送していた。映画館でも観たし、レンタルになってからも観ている。だけど久しく観ていないので、録画することにした。
すると妻が主演のライアン・ゴズリングに反応した。この作品を観ていないけれど、彼が出演しているのなら観たいと。だったらその前に復習しておく作品がある。ということで久しぶりに不思議な世界が登場する映画を観た。
2022年 映画#3
『ブレードランナー』(原題:Blade Runner)という1982年のアメリカ映画。独自の世界観を描いた作品なので、続編を観るために復習が欠かせない。ボクは何度観たか思い出せないほどだけれど、この映画からはいつも新鮮な空気を感じることができる。
おそらく街の雰囲気がちゃんこ鍋のようになっているからだろう。日本のような、中国のような、でもアメリカのような。言葉も混在しているし、風俗や習慣もごちゃごちゃ。空を飛ぶ車があるかと思えば、スラム街のようなところも残っている。
この映画の設定が2019年になっていて、いまから考えたら過去の時代。なんか不思議な気持ちだった。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』だって2015年が過去になってしまった。なかなか想像通りに進化しないということかもね。
とにかくこの映画は好きだなぁ。公開当時はあまりヒットせず、主演のハリソン・フォードと監督のリドリー・スコットがもめたこともあって、どことなくポシャってしまいそうな作品だった。だけどその後のSFオタクたちの応援によって、SF映画の名作となってしまった。
観るたびに思うけれど、切ない作品だよね。レプリカントたちはたった4年しか寿命がない。人間の奴隷としてこき使われて、4年で捨てられてしまう。見た目は人間と変わらず、少しながらも感情が芽生えている。死への恐怖も人間と同じ。
彼らと人間はどこかちがう? そのことを観ている人たちに問いかけながら、この物語は進行していく。それは人間の定義について考えざるえを得ないことになってくる。ラスト近くで、レプリカントのリーダーであるロイのこと切れる瞬間が切ない。
ハリソン・フォード演じるデッカードを助け、死の恐怖を感じただろうと問いかける。だけど人間が自分たちに課した恐怖はこんなものではない。そうつぶやいて、そのまま逝ってしまう。
そのあとに刑事のガフから、レイチェルにも同じ運命が迫っていると聞かされたデッカードが、必死になって彼女の姿を探すシーンも切ない。そして彼女が生きていたことを知って、この世界から逃亡する。
そして物語は30年後へとつながる。ということで久しぶりに続編を鑑賞してみよう。
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