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高羽そらさんインタビュー

宇宙版『地獄の黙示録』

一般的に難解と称される映画は、観れば観るほどその良さがわかることが多い。言語化できないけれど、作品の魅力にやがて気づくようになる。

 

ボクにとってそんな映画としてすぐに思い浮かぶのは、フランシス・コッポラが監督した『地獄の黙示録』という作品。初めて映画館で観たときは困惑するだけで終わった。前半の戦闘シーンなどは迫力があったけれど、後半になってカーツ大佐の狂気が描かれ始めるともう降参。

 

ところがビデオやDVDになってから何度も観るうち、ベトナム戦争を描いた作品としてはボクにとって最高のお気に入りとなった。元グリーンベレー隊長だったマーロン・ブランド演じるカーツ大佐。ジャングルに潜むうち、やがて常軌を逸し、軍の命令を無視してカンボジアに独立王国を築く。

 

そんなカーツ大佐の暗殺を命じられたのが、マーティン・シーン演じるウィラード大尉。そもそもベトナム戦争自体が狂っている。ウィラードもそのことを感じていたけれど、カーツ王国に潜入してカーツ大佐と出会うことで、やがて彼も心の均衡を失っていくという物語。カーツの思想に影響されていくウィラードの心の変化が見どころ。結果として戦争の狂気が見事に描かれている。

 

ある映画を観たとき、ボクはすぐにこの『地獄の黙示録』を思い出した。ボクの勝手な想像だけれど、その映画の監督は『地獄の黙示録』のオマージュとしてこの作品を撮影したのでは? まさに宇宙版『地獄の黙示録』と言える作品だった。

 

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2022年 映画#6

『アド・アストラ』(原題:Ad Astra)という2019年のアメリカ映画。写真のブラッド・ピットが主演している。

 

ブラッド・ピットが演じるのはロイという宇宙飛行士。父のクリフォードは世界的に有名な宇宙飛行士で、『リマ』という探査船で地球外生命の探索の旅に出た。ところが途中で事故を起こし亡くなっている。

 

ある日、地球で大規模なサージ電流が発生し、世界で4万人以上の人が亡くなった。その直後、ロイはアメリカ宇宙軍の幹部に呼ばれる。実は父のクリフォードが生きていて、『リマ』による反物質の影響でサージ電流が発生したとのこと。

 

そこで極秘に火星の基地へ行き、反乱を起こしている父を説得してほしいという任務だった。ロイは幼い頃に父が死んだと聞かされてから、感情を殺すことを覚えた。どんなことがあっても心拍数が上昇しない。そんな冷静な彼だからこそ、この任務を遂行できるという宇宙軍の判断だった。

 

ここからいろいろあるけれど、まだ新しい映画なのでネタバレはやめておく。だけどボクが『地獄の黙示録』を紹介したことで、おおよそ想像できるだろうと思う。つまりロイがウィラード大尉で、ロイの父がカーツ大佐に相当する。

 

映画の後半になると、まさに『地獄の黙示録』の世界だった。この映画の評価を見ていると、面白くないと書いている人が多かった。おそらく『地獄の黙示録』を知らない世代なのかな? ボクはその映画を重ね合わせて観たので、本当に素晴らしい作品だったと感じた。

 

特にブラット・ピットの演技が最高。感情を殺したことによって、彼は結婚生活に失敗している。だけどこの旅を通じて、彼は他人と関わることを自分に許せるようになる。地球への帰還後は、妻との関係も修復する。この心の動きが作品を通じて見事に描かれていた。

 

そして父親役のトミー・リー・ジョーンズもさすがの貫禄だった。まさに現代のカーツ大佐という雰囲気。さらに個人的には、ロイの妻を演じたリブ・タイラーを見られて満足。相変わらず綺麗な人だよね。お父さんがエアロスミスのスティーブン・タイラーだなんて、いまだに信じらへんわwww

 

SF映画というよりは、宇宙を舞台にした壮大な叙情詩だと思う。だから本格的なSFを期待する人にはつまらないかもね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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