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高羽そらさんインタビュー

この三国志はモヤモヤする

中国における最も有名な歴史小説として『三国志演義』という作品がある。一般的には『三国志』と呼ばれていて、日本でも小説や漫画、そしてアニメからテレビゲームの題材として使用されている。それほど面白い物語だから。

 

ボクの『三国志』初体験は、吉川英治さんが書いた小説。膨大な量になる作品で、一昨年くらいから電子書籍で久しぶりに読み直している。毎日少しずつしか進まないので、ようやく80%くらいまできた。それ以外には横山光輝さんが描かれた漫画の『三国志』も全巻読破している。

 

魅力的な登場人物が数多く登場するので、それぞれの人にオシがある。ボクのオシは諸葛孔明なんだけれど、彼は軍師。武将で好きなのは、なんと言っても関羽。その関羽を主人公にした映画を観た。

 

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2022年 映画#9

『KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝』という2011年の中国映画。三国志が書かれたのは明の時代で、日本で言えば室町時代。だけど物語の舞台は日本の卑弥呼時代よりずっと昔。魏、蜀、呉という3つの国が中国を3分して争ったゆえ、『三国志』というタイトルになっている。卑弥呼のことを書いている『魏志倭人伝』の魏は、この『三国志』の魏のこと。

 

この物語は雄大すぎて簡単に語れない。魏は曹操、蜀は劉備、呉は孫権という武将が支配している。といってもこの3国が並ぶまでには長い時間がかかる。青年時代の劉備から物語が始まり、曹操は単なる役人。孫権などまだ生まれてもいない。

 

その蜀の劉備が荒廃した中国を救うため志を表明したとき、義兄弟として誓い合ったのが関羽と張飛。この3人の結束は『桃園の誓い』として知られている。そんな関羽だから、劉備に対して絶対的な忠誠を誓っている。

 

この映画の物語は、まだ蜀の国が劉備のものとなっていない時代。彼は落ち着き先を求めていた。そんなとき曹操の魏に襲われて、劉備たちは離散してしまう。劉備は袁紹という武将にかくまわれた。ところが関羽は曹操の捕虜になってしまう。なぜなら劉備の妻を守っていたから。

 

このときの関羽の逸話は、物語でも最高に面白いところ。関羽は曹操の部下として働く。その条件として、劉備の居所がわかったらすぐに解放してもらうということ。曹操の本音は関羽を愛してやまない。それゆえどうしても配下に置きたい。片想いなんだけれどね。だけどその約束をする。

 

そして関羽は曹操の部下として目覚ましい働きをする。ところが劉備の居所がわかる。そこで関羽は劉備の妻を連れて約束どおりにその地へ行こうとする。曹操は引き止めるが、関羽はどうしても聞き入れない。お金を積んでも、官職を与えても、美女を近づけても動じない。それで曹操はようやく諦める。

 

ところが曹操の部下は虎を野に放つものだと恐れた。それで曹操に内緒で関羽を暗殺しようとする。ところがたった一人で、曹操はその敵たちを返り討ちにする。そして無事に劉備の元へ戻るというストーリー。

 

さてこの映画なんだけれど、はっきりいって残念でしかない。殺陣等のアクションシーンは最高。関羽の凄さが映像から伝わってくる。ところがどうにも人物設定が変。おかしい。

 

まず曹操にカリスマ性がまったくない。ボクは曹操の大ファンだけに、マジでガッカリした。曹操を日本の武将に例えると織田信長に近い。なのに普通のオジサンの雰囲気だったwww

 

さらに関羽が劉備の妻に密かに惚れているという設定にうんざり。そんなこと、この物語のキャラの関羽にはあり得ない。このシーンにイライラしてしまう。さらに曹操の傀儡でしかない皇帝が関羽の命を狙った黒幕という設定もつまらん。この時代の皇帝は悲劇の人ではあったけれど、そんな陰謀を企むような人物として描かれていない。とにかくモヤモヤする映画のキャラだった。残念でしかたない。

 

ちなみに関羽は中国で崇拝の対象となっている。『関羽廟』というものがあり、神戸にも存在する。関羽が呉の陰謀にはまって死んだとき、天変地異が起きた。呉の孫権は恐れ、曹操もビビった。そこで関羽を祀ることにした。その名残なのだろう。日本で言えば菅原道真の天満宮のようなものだね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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