子供向け作品はあなどれない
アニメや小説のジャンルとして子供向けの作品がある。子供といっても幼児から小学生まで幅があるので、作品の種類もさまざま。どちらにしても大人向けではないからと、そうした作品を無視するのはもったいないかも。
子供用にわかりやすく作られたものであっても、人間を感動させる仕組みは同じ。ボクたちだって子供のころからそうした作品に触れてきたことで、感受性を養ってきたんだから。ということで子供向けに作られた映画を観た。原作は児童書ということなので、やはりターゲットは子供世代なんだろう。
ところがこれが面白い。大人が観ても楽しめるよう、本気で作っているのが伝わってきた。やはり子供向け作品はあなどれない。
2022年 映画#12
『ルイスと不思議の時計』(原題:The House with a Clock in Its Walls)という2018年のアメリカ映画。タイトルで子供向けだとわかるファンタジー映画。たしかにストーリーはシンプルだった。もう少し掘り下げてもいいように感じた。
だけど原作の児童書に則して書かれた脚本なんだろう。魔法をテーマに扱った作品なので、厳格なリアリティは必要ないと思う。主人公はタイトルでわかるようにルイスという10歳の少年。
両親を亡くして孤児となったルイス。そんな彼を引き取ってくれたのが母の兄であるジョナサン。近隣から「呪いの家」と呼ばれている豪邸に住んでいる人物で、その正体は魔術師だった。さらに隣人のツィマーマンという女性も魔術師。二人はその家の元の住人であるアイザックが仕込んだ邪悪な力を持つ時計を探していた。
それは世界の時間を逆行させることで、人類を滅亡させてしまうというもの。アイザックは死んでいたけれど、アイザックの妻に騙されたルイスによって、アイザックは墓場からよみがえる。つまりルイスもジョナサンとツィマーマンの手ほどきによって魔法を使えるようになっていた。
この段階で想像できるように、ルイスたち3人の活躍でアイザックの陰謀を打ち砕くという物語。まぁありがちなストーリーで、CGが駆使されていることで映像的にも楽しむことができた。
だけどこの映画を大人でも面白くしていたのは俳優たち。ジョナサンを演じているのはジャック・ブラックで、ツィマーマンを演じているのはケイト・ブランシェットという名優たち。この二人の演技が素晴らしくて、この映画を最後まで楽しむことができた。
どちらかといえばキワモノ役が多いジャック・ブラック。たしかにこの映画のジョナサンも変わっているけれど、とにかく好人物。妹の息子を本気で愛していて、とても優しい素敵な叔父さん役だった。彼にしては珍しく、ある意味まともな人物だったwww
一方ツィマーマンは怪しい雰囲気の魔女。これまたケイト・ブランシェットがいい味を出していた。美人でクールな魔女という役にピッタリ。『ロード・オブ・ザ・リング』で彼女が演じたガラドリエルというエルフの女王とは、また一味ちがう高貴な雰囲気だった。
この二人の演技で、大人でも楽しめる作品になっていたと思う。気軽に楽しめる素敵な作品だった。
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