悪魔がヒーローでもええやん
一般的にヒーローやヒロインというのはイケメンか美女。個性的な場合はあっても、スーパーマンやバットマンはイケメンのことが多い。たしかにヒーローはイケメンのほうがウケがいい。だけどそうでないヒーローだっている。
例えば『ハルク』というヒーロー。マーベルコミックのキャラで、ボクはこの映画が好き。それでも変身前のハルクはエドワード・ノートン等のイケメンが演じている。だからイメージは俳優の器量に影響されてしまう。
ところが最初から最後までブサイクが活躍するヒーロー映画を観た。素顔がそれだから、俳優さんも特殊メイクのまま。そのうえ、そのヒーローは悪魔という設定だった。
2022年 映画#17
『ヘルボーイ』(原題:Hellboy)という2019年のアメリカ映画。漫画の映画化とのことで、以前にも映像化されている。この作品は原作者を監修に迎えることで、リブート作品として制作されたとのこと。
写真の中央にいるのがヘルボーイという名のヒーロー。評論家の評価はかなり低いとのことだったけれど、ボクは十分に面白かった。やや展開が遅い感覚があって、前半は間延びしている空気はあった。だけど後半になってヘルボーイの出生秘密がわかってから、なかなかいい展開だった。
映画の冒頭は6世紀から始まる。魔女のニムエが世界を闇に陥れていた。伝説のアーサー王もかなわないほど。恐ろしい伝染病を撒き散らすことで、大勢の人間が命を落としている。だけどアーサー王と魔法使いマーリンの逆襲によって、ニムエは身体を切り刻まれて封印される。
そして現代。ヘルボーイは超常現象調査防衛局(BRPD)のエージェントして活躍していた。人間とはちがう人喰い巨人を退治したりする。わかりやすく言えば『メン・イン・ブラック』のようなもの。相手が宇宙人ではなく、魔物たちになる。
想像できるように、ヘルボーイに恨みを持つ怪物によってニムエが蘇る。そしてヘルボーイの出生の秘密がわかる。彼の母親はアーサー王の血を引いていたけれど、悪魔との間に子供をなしてしまう。それがヘルボーイだった。
そして彼の本当の役割は、聖書に書かれている最後の黙示録を完成させること。地獄の使者として人類を滅亡させるのが彼の使命だった。だけど人間の親に育てられ、アーサー王の血を受けついだヘルボーイはその誘惑と戦う。そしてニムエを再び闇に葬り去るという物語。
なかなか良くできたストーリーで、アーサー王伝説が大好物のボクにはストライクだった。魔法使いマーリンの大ファンでもあるので、彼が現代に蘇るのを見るだけでワクワクする。そしてヘルボーイもちょっとコメディタッチのキャラなので、とても良くできたファンタジー作品だったと思う。
なんと言ってもニムエを演じたミラ・ジョボヴィッチが最高。彼女の魔女役は完璧にハマっていた。昔の作品だけれど、『ゴーストバスターズ』で魔女を演じたシガニー・ウィーバーを思い出した。ヒーロはブ男でも、悪役が美人だといいバランスだよね。続編ができる終わり方だったので、そうなることを願っている。
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