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高羽そらさんインタビュー

フィクションのホラーは限界?

ここ数年、夏に放送されていたオカルト番組が明らかに減っている。もちろん理由は視聴率が取れないからだろう。心霊写真や心霊ビデオは、いまの技術なら思ったようにコラ画像を作ることができる。それゆえ信憑性が薄れているので、本気で怖いと思えない。

 

それと連動するかのように、フィクションとしてのホラー作品も減っているような気がする。いやもしかしたら作られているのかもしれないけれど、話題になる作品が少ないから気づかないのかも。久しぶりに日本のホラー映画を観たけれど、フィクションとしてのホラーの限界を感じてしまった。

 

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2022年 映画#18

『事故物件 恐い間取り』という2020年の日本映画。事故物件に住むことで有名になった、松原タニシさんという芸人さんの体験談を映画化したもの。といってもネットで見聞きした内容とちがうので、映画用に脚色されたのだろう。

 

時間潰しに観る作品としては、それなりに楽しめた。売れない芸人のヤマメが、起死回生の仕事としてトライしたのが事故物件に住むこと。それがきっかけで売れっ子になっていくけれど、同時に悪霊に取り憑かれてしまうという内容。まぁストーリーも平凡なので、特に目新しいものはない。

 

ボクはホラー映画というよりは、コメディタッチの作品として楽しんだ。特にプロデューサー役の木下ほうかさんが面白くて、彼に引きづられるようにして主演の亀梨和也さんもこの役にはまっていたと思う。そしてヤマメの熱烈なファンである梓との恋愛物語、さらに元相棒の中井との友情物語としても楽しめた。

 

だけどホラーの部分はかなり微妙。多少気持ち悪いシーンがあったり、その部屋の逸話が出てくるだけで、登場人物たちは交通事故に遭うものの、とりあえず逼迫した雰囲気はない。後半になって中井の家族に不幸が続いたり、ヤマメが変になっていくという部分はあった。でもそれもこれまでのパターンでしかないと思う。

 

最悪だったのはラスボスの登場。死神を象徴したような姿で、梓に取り憑いてヤマメを殺そうとしたりして、ラストでは大暴れした。だけど死神っぽい雰囲気はダサいし、そもそもこいつは何者やねん? という疑問がちらついて頭から離れない。

 

ラストシーンで不動産屋の女性が取り憑かれて、トラックに飛び込むシーンだけがホラーらしい雰囲気だった。やっぱホラー映画は限界に来ているような気がする。監督は『リング』を撮影した中田秀夫さん。だけど『リング』は原作が半端なく怖かったから、ホラーとして成立したんだと思う。

 

結局この映画でもっとも怖かったシーン。それはエンドロール。

 

映画で登場した事故物件の、本物の写真がずらっと登場する。映画の本編よりも、この写真のほうが不気味だった。現代社会にホラー話が消えたわけじゃないと思う。だけどデジタル機器の進化によって、信憑性が希薄になっているから事実が闇に消えているのだろう。

 

本気で身の毛もよだつ恐ろしい出来事は、どこかで起きていると思う。ただそれはフィクションではなくリアルな世界。それだけに関係者を巻き込むだけで、世間からは消えているんだろうなと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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