マジで怖い怪談集
ボクは毎日夜明け前のまだ暗い時間に、スマートフォンで電子書籍を読む。常に3作ほどを用意しておいて、少しずつだけれど読み進めている。
ところがここ1週間ほど、早く夜が明けてくれないかと本気で願っていた。なぜならそのうちの1冊が、めちゃめちゃ怖い本だったから。
2022年 読書#12
『忌録:document X』阿澄思惟 著という本。説明によると、この書籍は著者が2006年から2012年までに収集したものを収録したもの。それらはあまりのおぞましさゆえ、闇に封印されていたものばかりらしい。要するにほぼ実話だということ。
『みさき』
『光子菩薩』
『忌避(仮)』
『綾のーと。』
という4つの作品、冷静に考えると、よくあるオカルト話。ただフィクションではないという思い込みがあるので、背筋がゾワゾワする。さらに実際の新聞記事や、現地での写真も収録してある。だから実録レポのようなリアリティの高さによって、より恐怖が増しているように思う。
この本を読んだ人なかには、身体に変調をきたしたという人もいるそう。あるいは手元に置いておくのは危険なので、処分するように言っている人もいるとのこと。まぁ誰かのネタだろうと思うけれど、ボクも読み終えた段階ですぐに利用停止にしてアプリの画面から消した。念のためにねwww
あまり思い出したくないけれど、ざっとだけ内容をふりかえってみよう。
『みさき』
1992年の7月7日、美咲ちゃんという少女が失踪した。両親と3人で歩いているとき、少女が急に自宅近くの神社に参拝したいと言い張った。それで親が参道の手前で待っていたけれど、わずか数分の間に消えた。それで神隠しにあったということで大騒ぎに。
霊能者が両親の家で美咲ちゃんの魂に問いかけたとき、ある恐ろしいことをその霊能者は見る。この家には得体のしれない黒い影の存在がいた。そして少女は神隠しではなく自宅で殺されている。おそらく母親に。もちろん証拠はないけれど。
『光子菩薩』
光子菩薩という奇怪な仏が描かれた護符にまつわる話。その護符を一度でも見た人は、おかしくなって死んでしまう。護符の影響を受けないようにするためか、自分の目をくり抜く人まで出たらしい。ちなみにその護符がこの文章の末尾に掲載されている。自己責任という注意書き付きで。
『忌避(仮)』
沖縄の小さな村にある幽霊屋敷の物語。東京から移住した家族がその家で恐ろしい出来事に遭遇する。ボルダーガイストは日常だし、娘は何かに取り憑かれたようになってしまう。その前に住んでいた外国人のカップルも、そこで二人同時に死んでいる。とにかく最強に恐ろしい内容だった。
『綾のーと。』
綾という大学を中退した女性が残したブログを集めたもの。大学を辞めたことで学生アパートを追い出された。それで引っ越したマンションが、いわゆる事故物件だったというもの。といっても自殺や殺人があったという事故物件ではない。マンションの管理人によると、幽霊が出るということで、その部屋はすぐに空室になってしまうそう。
やがて綾はその部屋に引きこもるようになり、死にたいと友人に漏らすようになる。結末がはっきりしないブログなので、その女性がどうなったのかわからないという怖さがある。
簡単に書いたけれど、こんな話が収められている。珍しい話ではないけれど、最初に書いたように実録感が強い。だから暗い部屋で読むのには適さない。まぁ気になる人は読んでみたらどうだろう? きっと何も起きないと思うけれど……。
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