毎日別人に憑依する幽霊
ネコ好きの人にオススメのミュージックビデオを紹介しよう。ボクが大好きなマシン・ガン・ケリーが今月の25日に『メインストリーム・セルアウト』という6枚目のアルバムをリリースした。相変わらずパンクロックしているゴキゲンな曲ばかり。
そのアルバムからシングルカットされたミュージック・ビデオが、昨日になって公開された。これまたボクが大好きなラッパーのブラックベアーとコラボしている曲で、『Make Up Sex』というタイトル。マシン・ガン・ケリーもブラックベアーも、いつもながらカッコいい。
ところがこのビデオで二人の姿を霞ませているのが、登場する大量のネコたち。ネコまみれのマシン・ガン・ケリーはどこかうれしそうwww ベッドの上で子猫にまみれているシーンなんて、ボクと代わってほしいと思うほどうらやましい。もしかしてネコは女性を象徴しているのかもしれないけれど、ネコのほうがいいよね。ネコ好きな人はどうぞ!
さて、かなり変わった設定の映画を観て、とても悔しい思いをした。なぜならこんな小説を書きたかったと本気で思ったから。幽霊が主人公の作品なんだけれど、人は相手の本質を愛せるか、という深いテーマでもある。とても素晴らしい作品だった、
2022年 映画#45
『エブリデイ』(原題:Every Day)という2018年のアメリカ映画。この作品は内容を文章で説明するより、実際に観てもらうほうがいいと思う。メインの主人公は女子高生のリアノンなんだけれど、実質的な主人公は実態のない幽霊のAだから。
Aという幽霊の素性は分からない。映画では幽霊ともいっていないので、どこかに肉体があって意識体が浮遊している可能性もある。とにかくそのあたりは映画では語られていいない。
Aは十代の男性で、同じ世代の人間に憑依する。だけど自分の意思ではないので、誰に憑依するかわからない。困るのはその肉体に24時間しかいられないこと。だから毎日別の人間に憑依して目覚める。
そのAはリアノンに恋をした。彼にとって初恋だった。それで別人になるたびにリアノンに思いを伝えようとするけれど、当然ながらすぐには信じてもらえない。憑依する対象は同じ年代だけれど、男女を問わないから。
やがてリアノンもAのことを信じ、彼を愛するようになる。イケメンでも、女性でも、ブサイクな男性でも、リアノンはAだとわかる。なぜなら彼の本質を愛しているから。だからどんな姿のAともキスできる。周囲から見れば男を次々と変え、なおかつレズビアンもオーケイという女子高生に見えるけれど。
だけどこの物語はハッピーエンドじゃない。そんな日替わりの恋愛を続けるのは無理だと二人は気づく。10代のときはいいけれど、20代、30代になってきたら、Aが憑依する相手は既婚者かもしれない。そんな彼と愛し合うことはできない。ということで、ラストはかなり切ない。
心がキュンとしめつけられるほど切ないけれど、本当に素敵な物語だった。原作小説があるので、すぐに図書館で手配した。原作の二人がどのように描かれているのか楽しみ。こんな設定の小説を書きたかったなぁ。
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