予想外の展開にアタフタ
テレビドラマで『ファウンデーション』という作品を観たことで、アイザック・アシモフという有名なSF作家の原作を追いかけている。とにかくドラマの世界観を知りたいということで原作に挑戦した。でもどうやら著者のとりこになったようで、すっかり原作の世界にハマっている。
『ファウンデーション』の関連作品を読んでから、全部で7作品あるこのシリーズに突入した。そしてようやくその最初の作品を読み終えて、予想外の展開にアタフタしている。予備知識なしで読んだでの、すっかり著者のトリックに騙されてしまったwww
2022年 読書#24
『ファウンデーションへの序曲』下巻 アイザック・アシモフ著という小説。上巻の感想については『ファウンデーションの扉を開けた』という記事に書いているので参照を。
このシリーズの主人公はハリ・セルダンという数学者。ドラマではすでに老人だったけれど、原作での初登場はまだ青年の面影が残っている若者。心理歴史学という数学を応用した予言が可能であるという論文を発表したことで、銀河を支配しているトランターの皇帝に招かれる。
皇帝と宰相であるデマーゼルが意図するのは、ハリに心理歴史学を完成させることで、銀河支配を有利に進めようというもの。ハリはまだ実用化のめどが立っていないということで、皇帝の申し入れを断る。ところが宰相のデマーゼルはどうにかして彼を捕らえようとする。
そんなハリを救ってくれたのは、ヒューミンという男性。皇帝の力が及ばない大学にハリを逃し、心理歴史学の研究を進めるように促す。ところが大学でも命を狙われたことで、ヒューミンはドースという女性の歴史学者にハリを助けるように依頼する。そうしてトランターという惑星を逃げ回ることになったのが上巻。
下巻ではハリがようやく心理歴史学の実用化のヒントをつかむ。地球という惑星が人類発祥で、その当時に作られたロボットがいまでも存在していることがわかった。人間そっくりのアンドロイドで見分けがつかない。そのロボットの歴史に関する知識を得れば、心理歴史学を完成できると感じた。
そこからいくつもドラマがあって、ハリとドースは何度も命を狙われる。ところがハリは格闘技の達人だし、ドースもナイフのすごい使い手で、二人とも驚くほど強い。これはドラマで老人だったハリからは想像もつかないwww
そして危険が迫ると、いつもヒューミンが助けてくれる。ところがついに殺されそうになったとき、ようやく真実が明らかになる。ハリは宰相のデマーゼルから逃げていた。ところがヒューミンこそが、そのデマーゼルだっという大どんでん返し。これは気が付かなかった。たしかに怪しかったけれど。
さらに驚きは続く。2万年も存在し続けているアンドロイが、なんとヒューミンだった。ハリはそのことを見抜いて、本人に告白させた。デマーゼルという存在に追われることで、ハリが本気で心理歴史学を実用化させてくれることを望んだ。そのために仕組んだことだったというオチ。
ということでドラマでは帝国の滅亡を予言することになる心理歴史学が、この物語からようやくスタートした。まさに『序曲』という内容の物語だった。その鍵を握るヒューミンの本名を知って驚いた。
R・ダニール・オリヴォーという名前で、『ファウンデーション』シリーズとは別の作品である『鋼鉄都市』という物語に登場したアンドロイドだった。人間の刑事とタッグを組むことで、殺人事件を解決したロボットだった。いやぁ、マジで驚いた。
ドラマのデマーゼルは女性のアンドロイドだった。原作では男性になっているので、ドラマでは変えられているんだろう。この先もハリとこのアンドロイドは関わってくるはず。さっそく、次の物語を読まなくては。楽しみで仕方ない。
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