いったい彼に何があった?
数日前から、ある人物の変化が気になって仕方ない。以前は女性関係に開放的で、モテるからすぐ誰かといい関係になった。なのに同棲している女性がいて、そのうえ逃げられている。以前の彼ならすぐに切り替えて前に進むのに、逃げた女性のことをずっと引きずっている。
いったい、彼に何があったんだろう?
といってもその人物は友人でもなければ、親戚でもない。それどころか実在の人物でもない。小説の主人公なんだよねwww
2022年 読書#26
『ミッドナイト・ライン』上巻 リー・チャイルド著という小説。気になる人物とは『ジャック・リーチャー』シリーズの主人公であるジャックのこと。映画ではトム・クルーズが演じた人物。
このシリーズを追いかけている。いまのところ25作品が出版されているけれど、日本で邦訳が出ているのは12作品のみ。この『ミッドナイト・ライン』は時系列でいくと邦訳本の最新作になる。
読み始めていきなりビックリ! 放浪癖がジャックの特徴なので、ひとつの場所に定住できない。そんな彼がミシェルという私立探偵と同棲していた。よほど惚れたんだと思うけれど、ボクの知っているジャックではあり得ない。
そのうえ、そのミシェルに逃げられたことで、仕方なく再び放浪するという設定になっている。彼女と関わったのはこの作品の2つ前らしい。ところが邦訳されていないので状況がまったくわからない。
ボクの感覚としては、『男はつらいよ』の寅さんが、浅丘ルリ子さんが演じるリリーと同棲してみたけれど、結局ダメで再び放浪生活をすることになった姿とダブル。やっぱりジャックと寅さんは同じタイプの人間らしい。
今回のジャックは、何かの事件に巻き込まれるパターンじゃない。たまたま立ち寄った街の質屋で、陸軍士官学校の卒業生が持っている指輪を見つけた。勲章のようなものだから、質屋に出すなんて考えられない。大きさからして女性らしく、何か大変なことが起きたのかと心配する。
なぜならジャックも同じ学校の卒業生だったから。そこでその指輪を買い取り、持ち主を探して返すことにした。無事ならそれでいい。だけどもしトラブルに巻き込まれていたら、手を貸したいと感じたから。
ということでその指輪の持ち主を探す旅が始まる。やがて質屋に流れてきたルートには、麻薬組織の陰謀が関わってくることがわかった。指輪の持ち主はローズという陸軍少佐で、イラクやアフガニスタンで従軍していた。さらにローズの双子の妹であるマッケンジーが、元FBIのテレンスという男に姉の捜索を依頼していた。
結果として出会ったジャックとテレンスは、協力することでローズの行方を探すという展開。その過程で死体が見つかったり、麻薬組織が妨害を仕掛けてきたりする。上巻のラストとしては、まだローズの生死は不明。もしかしたら麻薬中毒だったのでは、という疑いが出ているところまで明らかになった、
この著者の小説は、最後まで読まないと展開が見えてこない。だから面白いんだけれどね。ただ気になったのはジャックの様子。同棲していただけでも驚くのに、ローズの行方を探しつつも、同棲していたミシェルのことを引きずっている。
だから今回はマドンナが登場する気配がまったくない。相棒は元FFBIのテレンスなので、男の二人旅で物語が進んでいる。ジャックに何があったのか気になるけれど、この作品を読みながら想像するしかないんだろうなぁ。とにかく下巻を今日から読むので、何かわかることを期待しよう。
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