若さはすべてを輝かせる
5月に入って好天が続き、新緑という言葉がぴったりの季節になった。我が家のマンションから見える神戸大学と六甲山系もこんな雰囲気。
この写真の手前の森にはウグイスの家族が暮らしていて、思わず笑顔になってしまうキュートな鳴き声を毎日聞かせてくれている。反対の西側のバルコニーからは、乱舞するツバメの一家も見ることができる。
この時期は野生動物にとって新しい命が誕生する季節だから、新緑の青さと共に若い命のエネルギーを全身で感じられる。若いというのはいいよねぇ。
とあるテレビショッピングのMCの女性を見ていても、つい若い女性が紹介する商品に気持ちが向いてしまう。おそらく若さのエネルギーが、別のMCが紹介しているのと同じ商品なのに、目に見えない輝きを増すのかもしれないね。
久しぶりに観たある映画で同じことを感じた。やっぱ若さというのは、人生のある時期だけに与えられる特別な賜物かもしれない。
2022年 映画#63
『ペリカン文書』(原題: The Pelican Brief)という1993年のアメリカ映画。過去に観たことある作品だけれど、NHKのBSで放送していたので久しぶりに観た。主演は写真のデンゼル・ワシントンとジュリア・ロバーツ。有名な作品なので説明はいらないだろうけれど、簡単に紹介しておこう。
ジュリア・ロバーツ演じるダービーはロースクールの学生。ある日、最高裁判事が二人も殺される事件が起きた。その事件に興味を持ったダービーは、二人の判事の関係から事件の真犯人を推理して、それを文章にする。それがこの映画のタイトルの『ペリカン文書』というもの。
それがめぐりめぐってFBIの手に渡り、ダービーは命を狙われる。つまり学生の推理だったのに、真実を突いていたということだろう。FBIだけでなくCIA、さらに大統領の側近たちを巻き込み、誰が彼女の命を狙っているのかわからないような状態。
そんなダービーに協力したのがデンゼル・ワシントン演じるグランサムという新聞記者。ダービーから真実を聞いたグランサムは、彼女と協力して真犯人に迫っていくという物語。久しぶりに観たけれど、2時間半近くあるのに時間を忘れるほど面白かった。
ただ冷静に考えると、突っ込みどころの多いストーリーだと思う。一学生が書いた文書にこれほど政府やFBIがアタフタするのは考えにくい。大統領選挙への影響を考えて捜査から手を引くように言った大統領に対して、FBIが意趣返しでこの文書を捜査するという理由づけになっている。だとしてもそれだけでは弱い。
それにそれまで暗殺に成功していた殺し屋が、たった一人の女子学生を殺すことができないばかりか、逆に別の人間の手によって殺されてしまう。どことなく主人公に都合よく流れているのは否めない。
ところが最初に書いたように、『若さ』がそのあたりのモヤモヤを吹き飛ばしている。まずは主演の二人のはつらつとした若い姿。いまは60代後半のデンゼル・ワシントンは30代前半だし、ジュリア・ロバーツだって30年前は本当に20代前半だった。
さらにこの当時の著名な俳優が次々と若い姿を見せてくれる。ボクの大好きなスタンリー・トゥッチを筆頭に、『ダイハード』、『ゴースト』、『ホームアローン』という作品で重要な脇役を演じた俳優たちが、若々しい姿を見せてくれた。それだけで些細な突っ込みどころはどうでもよくなったwww
だからと言って何がなんでも『若さ』を称賛しているわけじゃない。最近のデンゼル・ワシントン、そしてジュリア・ロバーツも本当に素敵な俳優さんだと思う。いまの年齢でしかできない演技を見せてくれている。それはこの時代のひたむきな若さがあったからこその、熟練した演技なんだと思う。
そんな未来につながる『若さ』だと思って二人の姿を見るから、さらにその輝きが眩しく感じたんだろうね。
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